売掛金(売掛債権)や請求書は売却することができる
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請求忘れの請求書をファクタリングで現金化することが可能です。

取引先から依頼された仕事を終了した後には、請求書を取引先に渡すことでしょう。その後、入金され売り上げをもらえることになるとは思います。

しかし仕事が完了したのにもかかわらず、取引先に請求書を渡すのを忘れてしまったという経験を持つ事業者も少なくないのではないでしょうか。

相手方から、請求書の請求をされるケースもあるとは思うのですが、何も言ってこないケースもあることでしょう。

 

取引先取引先

請求書が送られてこないから、支払いをする必要はない!

事業者事業者

そんな馬鹿な・・・。

 

このような状況になった事業者もいるのではないでしょうか。

まず取引先の考えは誤りです。どんな状況でも完了した仕事に対しての支払いは行う必要があります。次にもし支払われない状況に陥ってしまったとしても、さまざまな方法で売掛金を回収、もしくは売掛債権を売却し資金調達することは可能です。

ただしこのような状況になってしまった場合には、ファクタリングの利用はかなり難しくなってしまうことでしょう。とはいえ、問い合わせをしてみる価値はあります。

請求を忘れても売掛金をもらう権利はある

取引先に請求書を送らなかったとしても、売掛金を受け取る権利はあります。

下請法という法律では以下のように定められています。

(下請代金の支払期日)
第二条の二 下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。
2 下請代金の支払期日が定められなかつたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して六十日を経過した日の前日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。

分かりやすく説明しますと、仕事が完了したら60日以内に支払いをするという決まりということです。

そのため、売掛金が発生したら「もらえない」ということはないのです。この辺りは法律で守られています。

時折「請求書を送っていないから売掛金が支払われないのは仕方がない・・・」と思ってしまっている事業者もいますが、そんなことはありません。取引先から依頼された仕事が完了した段階で、売掛金を受け取る権利はあるのです。そしてその権利は下請法という法律で守られているのです。

法律で守られているはずなのですが、売掛金の支払いが遅れる、もしくは支払ってくれない取引先もあるかと思います。

売掛金問題を解決する方法

売掛金の支払いに関するトラブルの解決方法はいくつかあります。

これらが代表的な売掛金の回収方法でしょう。

今回焦点を当てている「請求忘れの請求書をファクタリングで現金化する」「売掛債権を売却する」で説明をしています。

自ら回収(お願い・内容証明・督促)

電話やメール、または直接会うなどして、支払いの催促を行う行為です。ここで問題解決できることが一番手っ取り早いです。

しかしそれでも支払いをしてくれない場合には、内容証明郵便を送ってみるという方法もあります。内容証明郵便は郵便局が証明する謄本であり、つまりは正式な文書です。

これを送ることにより、取引先に対してこちら側が本気(裁判も辞さない)である意思を伝えることができます。

回収業者にお願いをする

弁護士や司法書士などの業務の中に、債権回収代行業務を行っていることがあります。

法的な観点から売掛金の回収業務を行ってくれます。士業が介入していることを知ることで、取引先が支払いに応じてくれることがあります。

債権回収業務を士業に依頼する場合には、回収費用が必要となります。

他の支払いで相殺する

売掛金をし払ってくれない取引先に対し買掛金がある場合には、互いの了承の元で相殺をすることができます。

売掛債権を売却する

売掛金を受け取る権利である売掛債権を売却することで、売掛金を回収することができます。

正確に言うと、取引先から売掛金が支払われるわけではなく、取引先から支払われるはずの売掛金をファクタリングサービスを利用することで手にすることができます。

取引先と余計な取引をする必要がない点からすると、簡単な売掛金回収方法であるともいえます。

 

売掛金はさまざまな回収方法がある事業者

売掛金の回収方法はさまざまだ。時間がかかって良いのか、相手に法的罰則を与えたいのかなども考えたほうが良いだろう。
すぐにでもお金を受け取りたいということであれば、売掛債権自体を売却してしまうのが一番早い。もしくは何かしらの資金調達方法を利用した方がよい。

 

ファクタリングで売掛金を現金化する

ファクタリングを利用することで、取引先から支払われない売掛金を間接的に手にすることができます。

将来的に取引先から売掛金が支払われた段階で、ファクタリング会社にお金を戻すといった仕組みとなります。

債権の買取を拒否される可能性

ファクタリングを利用すれば、回収できない売掛金を現金化することができます。

非常に便利なサービスではあるのですが、取引先から売掛金が支払われない状態でファクタリングを利用する場合、ファクタリング会社の中には債権の買取を拒否してくる可能性が高いです。

なぜなら「回収できない売掛金は不良債権であるため」です。

不良債権とは回収不能、もしくは回収困難な債権(売掛金)のことです。

ファクタリング会社としては、事業者から売掛債権を購入した段階では利益としてはマイナスです。取引先から事業者に対して売掛金が入金され、それがファクタリング会社に送られた段階で利益を確定することができます。

つまり、取引先から事業者に対し売掛金が支払われなければ、ファクタリング会社は利益を出すどころか、マイナスとなってしまうのです。よって、不良債権の買取をするファクタリング会社はかなり少なくなることでしょう。

売掛債権の買取はファクタリング会社が判断する

事業者から持ち込まれた売掛債権を買い取るのか否かは、ファクタリング会社が審査をすることで判断します。

その際、不良債権かどうかを言う必要はありません。

その判断により、もし買い取りをしてもらえたとしたら、後はファクタリング会社の持ち物となるため、ある意味関係なくなります。

極端な話ですが、取引先から売掛金がずっと支払われなかったとしても、または取引先が倒産してしまったとしても、事業者は何の責任を負う必要もありません。もちろん、ファクタリング会社から受け取ったお金を返す必要もありません。※ノンリコース契約をしている場合は弁済をする必要がありません。

すべては不良債権と判断できずに審査を通したファクタリング会社の責任となり、ファクタリング会社が損失を出すことになるのです。

株式と同じ 譲渡後の弁済は必要ないケースも

売掛債権を譲渡した後に、譲渡側に損失が発生した場合の話について、株を例にして説明したいと思います。

たとえばAさんが株を持っていたとします。そしてその株を欲しいというBさんが現れたとします。

結果的に株を売却し、Aさんは現金を、Bさんは株を手に入れることができました。

しばらくして、株価が急落し価値が0円になってしまったとします。この段階でBさんは損失を出してしまったことになります。

Aさんに責任があるかというとありません。すべては株を買ったBさんの責任となります。

イメージとしてこのような感じとなります。ただしファクタリングを利用する際には、契約書を結びます。その契約書に先にも挙げたノンリコース(償還請求権ナシ)となっているかを確認する必要があります。

ノンリコースでの契約を行っているのであれば、何の責任を負う必要もありませんが、そうではない場合には責任を追う可能性が出てきてしまいます。

参照 償還請求権(ノンリコース)について

 

請求忘れは5年で時効 その前に適切な対応を

請求忘れには期限があり、5年で時効となってしまいます。つまり請求書の有効期限が5年となり、5年を過ぎてしまうと法律上、相手は支払いをしなくてもよくなってしまいます。

そのため5年以内に発生した売掛金は回収する必要があります。

請求忘れから年月が経っている請求書の売却は難しい

請求忘れから年月が経っている請求書の売却は難しくなることでしょう。

  • 請求をし忘れてから3カ月以上時間が経っている
  • 請求をしてから3ヵ月以上時間が経っている

3ヵ月というのは目安ですが、請求をし忘れた、もしくは請求をしたけど対応をしてもらえなかった状態から、ある程度時間が経ってしまっている状態では、かなり不利な状態となります。

もちろん、5年を過ぎなければ時効を迎えないのですが、ファクタリングを利用して資金調達を行うことは非常に難しいでしょう。

なぜならファクタリング会社が購入する債権の多くは、1ヵ月~2ヶ月後に入金予定のある債権であり、優良債権と判断できた債権のみです。

いつ支払われるか分からないような売掛債権は不良債権と判断され、それを買い取ることはファクタリング会社にとってリスクとなるためです。

よって、数週間程度の請求忘れであればファクタリングを利用することも可能かもしれませんが、1ヵ月単位となってくるとファクタリングの利用は難しいと思っていたほうがよいでしょう。

請求忘れの請求書を現金化するならすぐに対応

請求忘れの請求書をファクタリングで現金化することは可能です。

しかし本来請求する予定日よりあまりにも時間が経ってしまった状態や、請求してから数ヶ月経ってしまっている状態となってしまっている場合には、ファクタリングの利用自体は難しいでしょう。

可能性がゼロというわけではありません。もしかしたら対応してくれるファクタリング会社もあるかもしれません。しかし当サイトの考えではかなり難しいとしか言わざるを得ません。

いずれにせよ売掛金関連の未入金トラブルが発生した場合には早急な対応が必要となってきます。

今回紹介したのは以上の4つです。

そして4つ目の「ファクタリングを利用した解決方法」は有効な方法であることは間違いありません。取引先にファクタリングを利用したことも知られません。これは大きなメリットです。ただし不良債権は取り扱ってくれないケースが多いのも事実です。

士業やサービサーと言われる債権回収業者に依頼をしてみるとよいでしょう。もちろん自分で回収作業を行うもの良いかと思います。

いずれにしても、売掛金は支払ってもらって当たり前ではないのです。手元に入金されるまで安心してはいけません。それを忘れないようにしてください。