ファクタリングの審査は緩いと表現されることがあります。しかしそれでも審査に落ちてしまうことがあります。
- ファクタリングの審査は緩い。しかし審査に落ちることがある。
- 審査に落ちる原因は複数ある。
- 審査そのものを受けられないことがある。
基本的に売掛債権を持っている事業者であれば審査の通過率は90%以上であるとされています。それでも審査に通過しない場合には、審査に落ちるだけの理由があります。
ここではファクタリングの審査に落ちる主な理由を14個紹介していきます。
ファクタリングの審査に落ちる14の理由
事業者の問題 | 取引先の問題 | 売掛債権の問題 |
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事業者の問題
ファクタリングを申し込む側である事業者に対してはそれほど審査は厳しくありません。
ただし話の内容の整合性が取れなかったり、嘘をついたりした場合には、審査に落ちてしまう可能性があります。
ファクタリングにおいて重要なのは事業者とファクタリング会社との間の信頼関係でもあるためです。
事業者の人柄と説明
多くのファクタリング会社が詐欺被害に遭ってきた実情があります。
よって事業者の話す内容の整合性や態度などをしっかりと観察してきます。また提出書類から売掛債権の真偽や取引の実情、二重譲渡の有無を疑ってきます。
書類が揃えられない
売掛債権を持つ事業者であれば揃えられるはずの書類を揃えられなかった場合には、利用を断られる可能性があります。
売掛債権の有無
売掛債権(売掛金)がなければファクタリングを利用することはできません。
しかしファクタリング会社を貸金業と勘違いしての問い合わせは多いです。そのような場合には、審査に落ちるというよりも審査対象になっていません。
また売掛債権があったとしても、売掛債権自体は形のあるモノではないため、それを証明するために請求書や注文書、契約書などの書類を提出し、債権の存在を証明します。
それを証明することができなければ、審査には通りません。
月商と売掛債権金額のバランス
月商の平均が100万円だったとして、譲渡したい売掛債権の金額が300万円である場合、審査に通らない可能性があります。
通常であれば月商よりも売掛債権金額の方が低いはずであるためです。
一般個人の利用
ファクタリングは事業者しか利用することができません。この事業者というのは個人事業主や法人経営者のことを指します。
つまり一般社員やアルバイトなど、事業の代表者ではない人間は利用することができないため、審査を受けることもできません。
取引先の問題
ファクタリングにおいて一番重要視されるのは、売掛金を支払う側である取引先(売掛先)の状況です。
事業状況が不明瞭
取引先の事業状況がつかめない場合には、利用を断られます。
取引先が法人であれば、必ず経営状況を知る情報が出てくるものです。
事業状況が厳しい
取引先から売掛金が支払われなければ、ファクタリング会社にもお金が入ってきません。
そのため、取引先の事業状況によっては不良債権化する可能性があるため、審査に通りません。
事業者との取引実績数
事業者と取引先の継続的な取引が行われていない場合には、怪しまれる可能性が高いです。
架空の取引先を作っていると疑われる可能性があるためです。そのため通帳のコピーを提出する必要があります。
事業者への支払い状況
取り引き先と継続的な取引があったとしても、支払いが遅れがちである場合には、審査に不利に働く可能性があります。
支払いが遅れるということは、取引先がルーズであるか、支払い能力がないためです。支払い能力がなければファクタリング会社が損失を出してしまいます。
個人事業主
取引先が個人事業主である場合、審査を受ける前に利用を断られる可能性は大きいです。
なぜなら個人事業主の債権は債権譲渡登記ができないといった点と、そもそも個人事業主の謄本を取ることができず、実態を知ることができないためです。
売掛債権の問題
譲渡(売却)予定の売掛債権に何かしらの問題がある場合は、審査に通過しない可能性が高くなります。
支払いサイトが長い
取引先から支払われる売掛金の入金予定日までにあまりにも時間がある場合には、利用を断られるケースがあります。
入金予定日が1ヵ月~2ヶ月ほど、長くても3ヵ月以内の債権でなければ厳しいでしょう。
ただし取引先が超優良企業であったり、公共事業であったりという場合には、その限りではありません。
二重譲渡の疑い
売掛債権は形のあるモノではありません。そのため1つの債権を複数のファクタリング会社に譲渡することも可能です。
ファクタリング業界のネットワークにより二重譲渡が判明すると審査に通りません。また万が一審査に通ったとしても、この行為自体は詐欺行為に該当する可能性が極めて高いため、後にトラブルになる可能性が大きいです。
不良債権の疑い
回収できない債権はファクタリング会社は嫌います。
はじめから不良債権であるとわかってファクタリング会社に持ち込んだ場合、価値のない債権を譲渡しようとしているため、詐欺行為に該当する可能性があります。
債権金額が買取可能金額外
ファクタリング会社ごとに買取金額が設定されています。
多くの場合、30万円~1億円前後が範囲となります。とくに20万円以下の場合には事業者にとってもファクタリング会社にとっても大した利益とならないということで、利用を断られる可能性があります。
ファクタリング会社
ファクタリングの審査を受けられないケースが多い
ファクタリングの審査をそもそも受けられない人が多いです。なぜなら審査を受ける条件を満たしていないためです。
ファクタリングの審査に落ちる14の理由の中でも触れているのですが、「事業者であり売掛債権があること」がファクタリングを利用する最低条件です。
この条件をクリアしない限り、審査をしてもらうことすらできません。これは審査が厳しいとか厳しくないとかという話ではなく、「利用対象外であるためどうしようもないこと」なのです。
審査対象外で断られたから審査に落ちたと思っている
審査対象外であるのにもかかわらず、ファクタリング会社に問い合わせをして断られたことで「審査に落とされた」と思っている人がいるようですが、それは違います。
審査をされる前に断られているのです。
審査対象外にお金を提供するリスク
事業者でもなく売掛債権を持っていない人に対してファクタリング会社がお金を提供したとしましょう。
これは貸金業法違反となってしまいます。
営業停止や廃業に追い込まれてしまう可能性があります。少しの利益を得るためにこのようなリスクを冒すことはありません。
小さな金額でリスクを冒して来づらい
あくまでも個人的な意見です。
たとえば利益として1億円以上が見込める・・・というのであれば、もしかしたら貸金業法を破ってしまうファクタリング会社もあるかもしれません。1億円の手数料を取るためには5億円~10億円をお客に渡すということになります。
個人事業主で5億円~10億円の売掛債権を持っていることって現実的ではありません。
個人事業主であれば、100万円前後というところでしょう。つまりファクタリング会社の利益としては10万円~20万円前後ほどとなるのです。
そのため10万円~20万円の利益を得るために、法律を冒すファクタリング会社は少なくても有名どころではないかと思われます。
ファクタリング会社
審査の緩いファクタリング会社を見つけるのは難しい
審査の緩いファクタリング会社を見つけるのは正直難しいと思います。
なぜなら今回紹介した「ファクタリングの審査に落ちる14の理由」を満たしていない状態で審査に通ると公表しているファクタリング会社は基本的には存在しないためです。
ただし普通に事業をおこなっていれば、今回挙げたような問題は起こりづらく、そのためファクタリングの審査通過率は高いのです。
審査の緩いファクタリング会社を紹介している闇
審査の緩いファクタリング会社を紹介しているサイトがありますがかなり疑問です。
なぜならサイト制作者が複数のファクタリング会社を利用しなければ、わからないはずであるためです。そもそもファクタリングは何度も利用するものではありません。何度も利用していると言うことは、その回数だけ資金ショートの危機に瀕しているためです。
よって、どのファクタリング会社の審査がどの程度であるのかを比べることはできないはずなのです。