悪質なファクタリング業者が存在するため、利用する際にはいくつかのポイントに対して気をつけなければなりません。
- ファクタリング業者の中には気をつけなければいけない業者も存在する。
- 気をつけるポイントを7つ紹介。
- 万が一の場合、余計に資金繰りが悪化してしまう可能性がある。
ファクタリングは大きなメリットのある金融施策であるため、近年次々にサービス展開をする会社が増えています。
ファクタリング会社を始める側からしてみると特別な資格を必要としないため、参入障壁が比較的低く、それもファクタリング会社増加の要因とされています。
多くの業者が真っ当にサービスを行なっている一方、そうではない業者も少なからず存在するのが実情です。そのため何も知らずに利用した結果、資金調達はできたものの、余計に事業状況を悪化させてしまうケースにつながってしまうのです。
ファクタリングとは会社の大切な売掛債権を売却することですので、不必要なトラブルに巻き込まれないためにも、ファクタリング会社を選ぶときの注意点を7つ紹介していきたいと思います。
Contents
直接会おうとしない 顔を合わせることを拒否する業者は注意が必要
基本的にファクタリング会社と契約をする際には、一般的には直接顔を合わせて契約を行ないます。
ただし顔を合わせなくても契約自体はすることは可能です。
これはメリットでもあるのですが、反面デメリットにもなり得るため注意が必要です。
ファクタリング会社
※2度目以降の利用の場合、面談を省略しているケースもあるようです。また最近では、オンライン完結型のファクタリングサービスが登場しました。有名なファクタリング会社であれば直接顔を合わせなくても将来的なトラブルに巻き込まれる可能性は少ないかもしれませんが、知名度の低いファクタリング会社を利用する際に面談を省略するのはリスクであると考えます。
参照 来店不要でのファクタリング契約は安全!?来店不要の実態とは
直接会うことを避けようとする場合は注意
ファクタリング契約をする際には必要書類さえ揃っていれば、ファクタリング会社のスタッフと顔を合わせることなく契約することができます。
確かにこれは非常に大きなメリットです。大きく時間短縮することができるため、それだけ早く資金調達することができるからです。
ところがこれは反面デメリットでもあります。
ファクタリング会社は貸金業ではありません。そのため特に資格がなくても始めることができます。普通は金融関係経験者がファクタリング事業として立ち上げることが多いのですが、そうではない人間も始めようと思えば始められるのです。
試しに聞いてみるのが重要
もし契約しようと考えているファクタリング会社があったら「一度直接会ってお話しすることができますか?」と、その気はなくても聞いてみるとよいでしょう。
その気はなくてもです。
その返答として「契約前に顔を合わせるのはできない」とか「忙しいから難しい」などと言われる、もしくは遠回しにでも言われたり、「直接顔を合わせないことがメリット」であるかのように話を進めてくる業者は要注意です。
やはりお金に絡むことですので、直接顔を合わせた方がよいのは間違いありません。
たとえ近くに営業所がなかったとしても、多くのファクタリング会社は出張してくれます。
ファクタリング会社
手数料があいまい 契約直前に変更してくることも
手数料設定があいまいであり、契約直前に条件を変更してくる業者には注意してください。
ファクタリングは売掛金の債権を手数料を引いた金額で事前に買い取り、売掛金が入ってきたらそのままの金額をもらうといったいわゆる「手数料商売」です。
そのため、手数料をなるべく高く設定したほうが利益が上がります。
多くのファクタリング会社は「手数料は3%~」のように「~」を使用しています。
この「~」が気を付けなければいけないポイントなのです。基本的にファクタリング会社のサイトに表示されている手数料の数字は、ファクタリング会社にとって良い条件がすべての揃ったときのみ可能となる数字です。
良い条件とは? |
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このくらいの条件が整わなければ、手数料を極端に低く設定することはなかなか難しいでしょう。もし万が一のトラブルで売掛金が入ってこなかったら一発でそのファクタリング会社自体が潰れてしまいかねないためです。
つまり「ファクタリング会社からして、確実に利益になると思わない限り、低い手数料で契約することはない」と考えてよいと思います。
逆に上記した「良い条件」に当てはまっているということであれば、積極的にファクタリング会社に手数料の交渉を行ってよいでしょう。
契約形態で大きく違う手数料
ファクタリングの種類は大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つです。
2社間 | 10%~30% |
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3社間 | 3%~10% |
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「3社間ファクタリング」の方が圧倒的に手数料は低いです。しかし多くのファクタリング利用者が選ぶ契約形態は「2社間ファクタリング」です。
多くのファクタリング利用者が選ぶ契約形態が「2社間ファクタリング」ではあるのですが、手数料は「3%~」といった具合に低い手数料である「3社間ファクタリング」の数字を前面に押し出して宣伝してきます。
決してウソではないのですが、勘違いされやすくなります。
また、買い取る債権の金額によって、同じファクタリング会社でも手数料が若干変動する可能性は十分にあります。
ファクタリング会社
売掛債権の買取金額が高ければ手数料が安くなりやすい
ファクタリングにおいて最も手数料が高くなりやすいのは、売掛債権が100万円前後の時です。手数料は20%~30%前後になるかと思います。
しかし買い取る売掛債権の金額が大きければ大きくなるほど手数料は下がっていきます。たとえば5000万円、1億円以上にでもなれば、手数料はグッと下がります。もし下がらなかったとしてら、単に他のファクタリング会社を探せばよいだけです。相見積もりをしてみてもよいかもしれません。
まずは手数料がいくらになるのかを確認し、できることならば他のファクタリング会社の手数料も聞いてみるとよいでしょう。
場合によっては「他のファクタリング会社の方が手数料が安かったんだけど・・・。」と話を持ち掛けてみるのも1つの手かもしれません。
ファクタリング会社
宣伝文句を鵜呑みにしない
ホームページなどに「ファクタリング手数料1%~」と表示されていたとしても、これはあくまでも宣伝文句であり、この数字で営業している会社はなかなかありません。
普通に考えてみれば当然の話です。たとえば売掛金が100万円だったとします。そして手数料が1%だったとしたら1万円です。ファクタリング会社の利益は1万円になってしまいます。
ファクタリングを利用する際には保証人も担保もありません。金融機関の融資に比べると回収できる可能性が低くなるのです。回収できなければそっくりそのまま損害となってしまうのです。
そのため、たとえば買い取る売掛債権が1億円といったように高額であり、売掛先も間違いのないところと審査で判断できたのであれば、手数料が1%にしてくれる可能性もあるかとは思うのですが、そうではない場合に手数料1%~というのは正直現実的ではありませんし、そんな経営をしていては一回の失敗でファクタリング会社自体が破産してしまいます。
契約直前で突然手数料を変更される
契約直前で手数料を変更してくるファクタリング会社もあると聞きます。普通そのようなことをされたら断るものですが、ファクタリングの性質上、なかなか断れないのです。
事業者
ファクタリング会社
事業者
ファクタリング会社
事業者
ファクタリング会社
事業者
ファクタリング会社
事業者
ファクタリング会社
事業者
このように契約直前に手数料を変更してくる可能性も考えられるのです。このようなこともあるため、複数のファクタリング会社に相見積もりをしておいた方が良いですし、さらに、すぐに対応してもらえる「即日対応」しているファクタリング会社にもコンタクトをいつでも取れる状況にしておきたいところです。
会社の所在地が不明確 会社の実態がないということも
ファクタリング会社の中には事務所を構えておらず所在地が不明確となっているケースがあるとされています。
それは事務所を持たなくてもファクタリング業務をすることができるためです。
一般的な話ではありますが、それなりに名前の通ったファクタリング会社は当然事務所を構えています。
ファクタリング業務はお金が絡むことですので、信用商売とも言えます。それが分かっているファクタリング会社は会社情報を明確にし、少しでも信用してもらうよう努力します。
そのため事務所を構えていますし、ホームページも持っています。
逆にいうと、信頼できるファクタリング会社は多くのお客を抱えています。これによりしっかりと利益を上げているため、事務所を持つこともできますし、それなりの作りのホームページも持っています。
ですので、まず事務所が本当に存在するのか、ホームページを持っているのか、持っていたとしてしっかりと会社情報を掲載しているかどうかを確認してみましょう。
そして掲載されている住所をグーグルマップ、さらにはグーグルストリートビューなどを利用して検索してみましょう。
ファクタリング会社
電話番号が怪しい 固定電話・フリーダイアルが基本
電話番号が一般的な番号以外のものを利用している場合には注意したほうがよいでしょう。
一般的なファクタリング会社は固定の電話番号をしっかりと持っています。なぜなら事務所を構えているためです。
そのため、ファクタリング会社の電話番号が携帯電話の番号である場合、その会社自体を疑ったほうがよいでしょう。
ただしですが、初めの問い合わせは固定電話で、次回以降から担当者の携帯電話に連絡をするといったことはよくある話です。
ファクタリング会社
業者の口座を必ずチェック 個人口座を指定されたらNGを
ファクタリング会社と契約を結ぶ前に、必ずどの金融機関を使用しているのか聞き確かめるようにしましょう。
ファクタリング会社の中には、会社の口座を持っていないことがあります。たとえば個人名の口座を使用していたり、その会社とは違った会社の名義の口座を使用していたりです。
通常契約を交わす前、契約書にファクタリング会社の口座情報が掲載されています。そこで確認してみましょう。もしくは事前に口座情報を聞いてみるのもよいでしょう。
話の内容が2転3転する業者は避けたほうがよい
話の内容が2転3転するファクタリング会社の利用は考え直した方が良いかもしれません。
たとえば初めに提示された手数料と、後から提示された手数料がほんの少しでも違う場合は要チェックです。ファクタリング会社の提示する手数料は、何か法律によって定められているわけではありません。つまり自由に決められるわけです。
ファクタリングの契約で一番多い契約形態は「2社間ファクタリング」ですが、相場として手数料は10%~30%となっています。かなりの開きがあることがわかると思います。まずこの相場内に収まっているかを確認する必要があります。もしこれ以上の手数料を提示された場合には、契約はしない方が良いです。相場内の手数料で契約をしてくれるファクタリング会社は山のようにあるためです。
ただしですが、あなたが持ち込んだ売掛債権がファクタリング会社側から見て価値がそれほど見いだせない場合には、どのファクタリング会社に持ち込んだとしても高い手数料を提示される可能性はあります。もちろんそうではない可能性もあります。
そのため、契約をする前でしたら複数社と話をすることは自由ですので、相見積もりを行なうことをおススメします。
事業者
対応が親切だったからといっても手数料が高いのはNG
日本人は「NO!」と言えない人種と言われることがあります。親切丁寧に説明をされてしまうと、少し手数料が高いと思ってもそのまま契約してしまうなんてことも。
ファクタリング会社からしてみれば、売掛債権を持ち込んでくれる事業者はお客様です。対応を親切にするのは当然の行為です。そのため契約する前には冷静になり、客観的に数字を見て判断するようにしましょう。
ファクタリング会社
売掛債権以上の金額提示や強引・分かりにくい説明は怪しい
一般的なファクタリング会社ではありえない話なのですが、売掛債権以上の金額を提示するファクタリング会社が存在するという話を聞くことがあります。それはファクタリング会社ではなく貸金業者である可能性があります。
また一見普通のファクタリング会社だったとしても、専門用語を持ち出してわざと分かりにくい説明をして契約に持ち込むケースもあるとされています。
売掛債権の価格以上の提示
ファクタリング会社は、事業者の持ち込んだ売掛債権を購入するサービスを提供しています。持ち込まれた売掛債権が100万円だとしたら100万円以下でしか購入できません。50万円分の売掛債権であれば50万円以下となります。
しかし、持ち込まれた売掛債権以上の金額を提示してくるファクタリング会社が噂としてはあります。100万円分の売掛債権に対し120万円の提示などです。この超えた分の20万円分は「借金」となります。借金ですから利息が付きます。
しかしファクタリングは貸金業ではありません。そのためお金を貸すことはできませんし、利息を付けることもできません。つまり貸金業法違反となります。このような行為を行っているとすれば、その会社は真っ当なファクタリング会社ではありません。将来的に大きなトラブルになる可能性があります。
強引・分かりにくい説明されたら警戒
気になるファクタリング会社があったら、一度電話していろいろ質問してみましょう。普通のファクタリング会社であれば、こちらが質問した内容をしっかりと分かりやすく説明してくれます。
ところが質問した内容をしっかりと答えなかったり、あいまいな表現で話をそらしたり、さらには強引に契約に結び付けようとしたりした場合には要注意です。
疑問の残る状態でお金の絡む契約は避けたほうがよいでしょう。
ファクタリング会社
少しでも怪しいと思ったら契約する前に少し考えてみる
少しでも業者に対して怪しいと感じたら、契約を結ぶ前にしっかり考えてみましょう。資金調達しなければいけない期日が迫っていたとしてもです。
怪しいと思った理由が「なんとなく」つまり「直感」でもよいと思います。直感というのは、今までの経験から来るものとされています。
そのため「直感的におかしい」と思ったら、今まであなたが経験してきた何かが違和感を感じさせたのでしょう。
ファクタリング業者はたくさんあります。他の業者に話を聞いてみるのも1つの手です。
客観的に見てどう思いますか?
事業者
ファクタリング会社
事業者
ファクタリング会社
少し乱暴なやり取りですが、このやり取りを見たらどう考えてもおかしいところが沢山ありますよね。
- 審査をしていない
- 手数料をハッキリ言っていない
- いつ入金されるのか言っていない
- 契約書の内容を説明していない
- その他もろもろ
もちろんここまでおかしな対応を取るファクタリング会社は普通はないとは思いますが、「手数料」「入金日」くらいはどのファクタリング会社も初めの段階で説明してくれます。ただし当事者となってしまうと、そして資金調達までの期日がすぐ目の前に迫ってしまうと、人は時として冷静な判断が付かなくなることも・・・。
そのため変なファクタリング会社に引っかかりたくないのであれば、多くの人が利用しているファクタリング会社を選ぶことが一番簡単な方法かもしれません。
悪質な業者と契約してしまったら弁護士に相談
悪質な業者と契約してしまった場合、そして明らかにトラブルに巻き込まれてしまった場合には、弁護士に相談してみるとよいでしょう。
明らかに契約上に問題がある場合には、弁護士に相談し介入してもらうことで、手数料が戻ってくることがあります。
ただし「弁護士への相談は効果あり!?悪質なファクタリング契約をしてしまったら」でも紹介していますが、弁護士への相談は有効な方法ではあります。しかしベストであるかは疑問でもあります。
なぜなら弁護士費用が事務所によってはかなり高額になることがあるためです。
よって、そもそも悪質な業者とは関わらないことが大切です。
それでも万が一関わってしまい、生活が脅かされるような事態に発展するということであれば、相談してみるのも1つの手ではあります。
金融庁が例に挙げる悪質業者
金融庁でも「違法な金融業者にご注意!」という注意喚起を行っています。その中でファクタリングについても以下のように触れています。
ファクタリング契約や売掛債権売買契約において、譲受人に償還請求権や買戻請求権が付いている場合、売掛先への通知や承諾の必要がない場合や、債権の売り主が譲受人から売掛債権を回収する業務の委託を受け譲受人に支払う仕組みとなっている場合は、ファクタリングを装ったヤミ金融の可能性がある。
引用元 悪質な業者の例
正直分かりにくい文章だと思います。「譲受人に償還請求権や買戻請求権が付いている場合」とありますが、まず「譲受人」というのは事業者から売掛債権を譲り受けたファクタリング会社のことです。そして「償還請求権が付いている場合」とありますが、償還請求権は普通は付かない状態での契約となります。
参照 償還請求権について
そのため少なくても、この注意喚起に該当するファクタリング会社はほとんどないと考えてよいかと思います。とくに知名度のあるファクタリング会社であればあるほどです。ただしファクタリング会社は数多くあるため、金融庁が指摘するような経営を行っているケースもあるかもしれません。
ということで、ファクタリングを利用する際には、評判の良いところ、よく耳にする会社、老舗などを基準に選ぶのも選び方の1つでしょう。
事業者