ファクタリングは昔からある資金調達のためのシステムです。
- ファクタリングは事業者に人気の資金調達方法。
- リスクを理解しておかないと損をしてしまう可能性がある。
- 審査は緩いがそもそも審査をしてもらえないケースもある。
欧米では当たり前のように利用されている資金調達方法ではあるのですが、日本ではあまりなじみがありませんでした。
ところが最近になり注目を集めるようになり、多くのファクタリング会社も現れるようになりました。
結論として、ファクタリングは事業者にとって非常に有効な資金調達方法です。
上手く利用することで、会社のピンチを救ったり大きく成長させてくれる施策の1つです。
Contents
ファクタリングが人気の理由6選
ファクタリングは事業者の資金ショートを解決する方法として非常に人気があります。
まずはじめに、ファクタリングが人気の理由を紹介したいと思います。
つまりこれらはファクタリングにおけるメリットとなります。
1.資金調達が驚くほど短時間でできる
資金調達までのスピードがとにかく速いです。最短即日で資金調達をすることも可能です。
銀行のような金融機関の場合、審査に数週間~数ヶ月必要となるのですが、ファクタリングの場合はとにかくスピード重視です。
そのため、「今すぐに現金が必要」という経営者の強い助けとなってくれます。
2.返済や利息を心配する必要がない
ファクタリングは借金ではありません。事業者の持っている債権をファクタリング会社が買い取ることです。
借金ではないため返済や利息といった概念自体がありません。
持っている売掛け債権を手数料を引いた金額でファクタリング会社へ譲渡するため、ファクタリング会社はその手数料で成り立っています。
そのため、利息だけ支払い元本が全然返済できないといった借金とは全くの別物です。
買い取った債権の売掛金が回収できた段階で、ファクタリング会社に送金して一連の流れは完了となります。
3.保証人や担保がいらないため審査が圧倒的に緩い
ファクタリングの基本的な形式は「債権買取」です。つまり会社経営者が持っているものを、ファクタリング会社が購入するというものです。
たとえば土地を購入する際に銀行からお金を借りる場合、以下の項目が審査の大きなポイントとなります。
- 「この人には返済能力があるのか?」
- 「返済できなくなった場合には代わりに返してくれる人がいるのか?」
銀行はお金を貸すことで利息を得て利益を得ているわけですから、この2つの項目は特に厳しくチェックされます。
ところがファクタリングの場合はお金を貸すわけではありません。売掛債権という「権利」をファクタリング会社が購入するわけです。そのため保証人も担保も必要ありません。持っている「モノ」を売るだけなので、そのモノに価値があると分かればファクタリング会社は購入してくれます。
- 「売掛先に信用はあるのか?」
- 「売掛債権は本物であるのか?」
もちろんその他にも審査のポイントはあるのですが、とくに重要視されるのはこの2つです。
金融機関と比べると全く審査の視点が違うことがわかることでしょう。
4.売掛金の未払いを回避することができる
たとえば売掛先の経営状態が怪しく、売掛金が入ってこない可能性があるとします。
そのような場合、売掛債権をいち早くファクタリング会社に譲渡することで、売掛金の未払いの可能性を回避することが可能となります。
そして実際売掛先が倒産してしまったとします。ファクタリング会社からすれば購入した売掛債権を現金化することができません。
売掛債権を譲渡した事業者には何の責任も負うことはありません。
つまりファクタリング会社は、このようなリスクも含めて売掛債権を購入することとなります。
5.借金の履歴・信用情報に影響しない
何度もお話ししていますが、ファクタリングは借金ではありません。持っている売掛け債権をファクタリング会社に譲渡することです。
そのため、借金の履歴に残ることも、信用情報に影響することもありません。
これにより、たとえば将来的に金融機関の融資を受けたいと考えたとき、ファクタリングを利用したことが融資の審査で足を引っ張ることはありません。
- 貸借対照表に借金の記載がされない
- 信用情報に傷がつかない
この2つがどれだけ重要なことか、会社経営をしている人にはわかると思います。
6.資金調達が公にならない
「2社間ファクタリング」を利用することで、売掛先、つまり取引先に資金調達を行なったことが知られることはありません。
売掛先のみならず、他の取引先にも知られることはありません。
これはファクタリング会社との契約の際に、契約書の中に記載されていることです。
誰にも知られず、資金を調達できるのです。
ただし「3社間ファクタリング」で契約した場合はその限りではありません。基本的には売掛先に通知することになっています。
そのため、「2社間」なのか「3社間」なのか、どちらの契約をするかが重要となってきます。もちろんこれを決めるのは事業者側です。
このように今まで資金調達する際に障害となっていたことがいくつも取り払われるため、多くの利用者に支持されているのです。
ファクタリングにおけるリスク・デメリット
ここからファクタリングにおける「リスク」を紹介していきます。
リスクというよりも、資金調達する上で気を付けて欲しいこと、覚えておいてもらいたい最低限のことを紹介したいと思います。
手数料をファクタリング業者に支払わなければならない
手数料に関してリスクと紹介していますが、正直リスクではなく当然のことです。
金融機関からお金を借りれば利息が取られますし、ファクタリング会社から資金調達すれば手数料がかかります。
そうでなければ金融機関もファクタリング会社も成り立ちませんから。
ということで、この「手数料」でファクタリング会社の経営は成り立っています。手数料の相場はファクタリング会社によって異なりますし、契約方法によっても異なってきます。
手数料の相場は5%~25%
手数料は多くの場合、売掛金額の5%~25%が手数料となると考えていればよいでしょう。
手数料に開きがあるのは、売掛債権の金額や売掛先の信用、ファクタリング会社との取引回数など、多くの要素によって変動するためです。
否定できない事実として、銀行で資金調達するよりも短期的な視点で見ると手数料は割高となってしまいます。しかしその分、審査が緩く資金調達までのスピードが速いといったメリットがあります。
参照 ファクタリングの手数料が高い理由 一般的な融資よりも大きなリスクを抱えているため
資金調達において何を重要視するのかということになってきますが、スピード重視と考えている人からしてみると、ファクタリングは間違いなくオススメです。
業者によって手数料が異なる
ファクタリング会社によって手数料は異なってきます。
覚えておいてもらいたいこととして、手数料が低いからよいのかというと一概にそうとは言えないということです。
もちろん手数料はファクタリングにおいて大事なポイントです。手数料が低いに越したことはありません。
しかし提示された手数料で契約するかどうかは実は怪しいのです。
なぜなら、契約を交わす前までは低い手数料で話を進めます。そして契約直前になり、突然手数料を引き上げられることもあるかもしれないためです。ファクタリングは性質上、すぐに現金が必要という利用者が多いです。そのような時、突然手数料を変えられたら、他のファクタリング会社を探している時間はないのです。そしてそのことをファクタリング会社も分かっています。
そのため必ず契約の際に手数料を確認することです。
手数料はしっかりと確認する
手数料に関しては契約前に確認しましょう。契約書もしっかりと確認するとよいでしょう。
もし自分の思っているような手数料ではなかった場合、他のファクタリング会社と相見積もりをとっても良いと思います。
他にもたくさんファクタリング会社はありますから。いずれにしても早めに行動をするようにしましょう。「今日中になんとなしなければならない」という状況には追い込まないことが大事です。
取引先にファクタリング業者を利用したことがバレてしまう
前提として「2社間ファクタリングを利用すれば心配する必要はない」のですが、手数料の低い「3社間ファクタリング」を利用すると、売掛先に資金調達を行なったことを知られることとなります。
これはファクタリング会社が通知するためです。
これにより、経営が苦しいと思われる可能性もあり、今後の取引に影響を及ぼしてくる可能性も出てきます。
そのため多少なりとも手数料の高い「2社間ファクタリング」を利用される方が圧倒的に多いです。
会社の状況においてどちらの契約がベストとは言い切れない所もあるのですが、今後も今までと同様に取引先と仕事を続けていこうと考えるのであれば、会社の経営が苦しいことは知られたくないのが正直な所でしょう。
そのためファクタリングを利用するのなら、おススメとしては「2社間ファクタリング」だと思います。
債権登記されると2社間でもバレる可能性が・・・
ただしなのですが、ファクタリング会社によっては2社間ファクタリングであっても「登記」を行なってしまうことがあります。
つまり「この売掛債権の正式な持ち主はこの人である」と法的に証明するものです。
登記されてしまうと法務局で公開されることとなります。つまり売掛先が万が一調べることがあれば、ファクタリングを利用したことがわかってしまうということなのです。
ただし登記を行なうファクタリング会社は少ないとされています。(公表しているわけではない聞いた話の範囲です。)
それはお客である事業者が嫌がり、他のファクタリング会社と契約されてしまうためです。とはいってもファクタリングを利用する際には、必ず確認したい事項の1つです。
参照 ファクタリングで登記はされる?債権譲渡登記はほとんどされない
まともなファクタリング業者を選ばないと大変なことになる
ファクタリング業者は数多くあります。中には闇金まがいの営業を行っている会社もあるとされています。
たとえば手数料が低いなど引き付けられる条件を提示され、契約してみたら全く話が異なり、本来取ってはいけない利息を取ったり、やってはいけない取り立てを行なったり・・・。
そのため、必ずチェックしなければならないのは「知名度があるのか」「住所には実際会社があるのか」「電話番号は携帯電話番号ではないのか」「契約書は適正なものなのか」を必ずチェックしなければなりません。
日本貸金業協会からの注意喚起
日本貸金業協会は以下の項目に該当するファクタリング会社の利用には十分に注意するよう求めています。
- 売掛債権譲渡契約に償還請求権が付いている。
- 売掛債権譲渡契約を結んだことを取引先に通知しない。
- 申込人の(売掛金振込予定の)通帳、銀行印、キャッシュカードを預かる。
- 金銭消費貸借契約を締結し、代表者や家族に保証人になることを求める。
- 小切手、手形を担保に入れさせる。
- 申込人の発行済み株式を譲渡担保とし、印鑑証明書、役員変更に関する登記委任状を提出するよう求められる。
- 売掛金(現金)の受け取りが、銀行等からの送金ではなく手渡しでされる。
- 契約書の写し、領収書などの書類が渡されない。
- 手数料(債権額と買取額の差)が年率換算にすると、事実上、利息制限法の制限を超えた高金利になっている。
引用元 「ファクタリング」を装ったヤミ金融にご注意ください(日本貸金業協会)
産経WEST内のファクタリングの事件に関する記事
参照 債権買い取り装い高利貸し 大阪府警、東京の2業者8人を逮捕(産経WEST)
※結果としてどのようなサービスにおいてもメリットデメリットはある。ただしまともなファクタリング業者を利用することが一番である。
ファクタリングにマイナスのイメージがあるがそんなことはない!?
ファクタリングは資金調達方法として「最後の砦」と言われることがあります。そのためマイナスなイメージを持つ人もいるわけですが、実はそんなことはありません。
たしかに会社を経営する上で資金ショートし、どうしても資金が必要である経営者がファクタリングを利用することは多いです。しかしファクタリングを利用できているということは、そもそも売掛金があるわけです。しばらくすれば現金が入ってくるわけです。
その「しばらく」を耐えることができなくなってしまったため、ファクタリングを利用することになっているだけです。
つまり単に資金ショートしているわけではなく、お金に換えられる価値のあるものを持っているということなのです。たまたま入金のタイミングが合わなかっただけということもあるのです。
大きな仕事が舞い込んできた!資金不足で請け負えない・・・
たとえば突然大きな仕事が舞い込んできたとき、ファクタリングの実力が発揮されます。
「何かを仕入れて加工して商品化し卸す」といった事業形態や、「仕事を受注したら下請け、孫請けなどに発注をかける」といった事業形態の場合でお話をします。
突然大きな仕事が舞い込んできたとします。日頃の経営が上手くいっているからこそ発注してくれる取引先があるのです。
ところが、入ってきた仕事内容があまりにも大きくて、会社のお金だけではその仕事を遂行できないとします。
「お金がないという理由で大きな仕事を手放すのか。それとも仕事が上手くいっているからこそ存在する売掛金をファクタリングでいち早く現金化し、舞い込んできた新しい仕事にいち早く回すのか。」
これは経営者の考え方次第ではあるのですが、会社を成長させるためにファクタリングを利用するケースもあるのです。
ファクタリングを利用することは決してマイナスではない
このようにファクタリングは、決してマイナス的なものではありません。売掛債権があるからこそ利用できるわけであり、売掛債権があるということは仕事としてしっかり成り立っているのです。ただタイミングが合わなかったり、思いもよらぬ大きな受注で資金繰りが上手くいかなかったりするだけなのです。
現に大手企業、特に成長スピードの速い会社は率先してファクタリングを利用しているというケースもあります。すぐに現金を手元に用意できるというのは大きな強みです。
そのためファクタリングは、会社経営をする上で頭の片隅に入れておきたい知識でもあります。
いつ、どのようにファクタリングを利用するのか。
苦しくなってから利用するのか。成長させるために利用するのか。使い方次第で会社をピンチから救ったり、大きく成長させてくれたりする有効な金融施策なのです。
気を付けて欲しい!審査は緩いが審査にたどり着けないケースが多い
「ファクタリングの審査は緩い」というお話をしました。それは事実です。審査は緩いです。しかし審査にたどり着けないケースが多いのです。
それはファクタリングの意味を理解せず、条件を満たしていない場合が多いためです。
事業者
そのように思っている事業者がいるようです。また、
事業者
このように思っている事業者もいるようです。
つまりファクタリングの仕組みをしっかりと理解しないで、ファクタリングで資金調達をしようと考えている事業者が多いのです。そのような事業者は審査を受ける前に断られることでしょう。ファクタリング会社はお金を貸す会社ではありません。
少なくても以下の条件が整っていないと審査にすら進めません。
- 事業者である。
- 売掛債権がある。
- 売掛債権の金額内での資金調達を希望している。
- 売掛債権の金額が、ファクタリング会社の定める最低金額よりも上回っている。
参照 ファクタリングの審査は厳しい!?審査をしてもらえない理由と解決策
ファクタリングには多くのメリットがあります。そして金融機関よりも確かに審査は緩いです。担保も保証人も必要ないためです。
ただし手数料が高いというデメリットもあります。
またメリットデメリットの以前で、ファクタリングの仕組みを勘違いし、単純にお金を貸してくれるのだと思い込み、審査にさえ到達できない人が多いのも事実です。
逆に言うと、審査にたどり着くのは正直難しいことではありません。最低限の条件が整っていればよいためです。審査にたどり着いてしまうことさえできれば、資金調達を成功させるのは目前となります。