ファクタリングは借金ではありません。そのため返済という概念がありません。
- ファクタリングは借金ではないため返済する必要がない。
- 返済と異表現を使っているのはわかりやすくするため。
- ファクタリングを利用してお金を借りることはできない。
「返済とはお金を借りて返すこと」であり、ファクタリングはお金を貸したり返したりするものではないため、返済という概念自体が存在しないのです。
ただし一般的には分かりにくかったり伝わりにくかったりするため、返済という言葉を使って説明しているケースがあります。
繰り返しますが、ファクタリングは借金ではありません。お金を借りることは不可能です。
Contents
売掛債権を売買 借金のような「借りる」「返す」ではない
再三の繰り返しになりますが、ファクタリングには「返済」という概念がありません。借金ではないためです。
しかし「返済」と表現されることがあります。それは単に「分かりやすいから」ということです。
ファクタリング会社
ファクタリングとは「売掛金の債権をファクタリング会社が購入する仕組み」のことです。つまり事業者から売掛金の債権をファクタリング会社が買っているのです。事業者にしてみると車や時計を売るのと変わりありません。
よって売掛債権のない事業者は、売掛債権を売ることができないためファクタリング会社を利用することもできません。車や時計がないのに、売ることができないのと同じことです。
参照 ファクタリングの仕組み
ここまででいかがでしょう。誰かが誰かにお金を貸したりしているでしょうか。していませんよね。
そのため「借金」や「返済」という概念自体ファクタリングにはないのです。
売掛金が入ったらファクタリング会社へ送金して完了
売掛先から入金があり、それを債権を購入してくれたファクタリング会社へ戻すことを「返済」と表現する人がいます。
これは表現として分かりやすいから「返済」と表現しているだけであり、実際には「返済ではなく送金」となります。
「返済ではない」根拠を詳しく説明
ファクタリング会社
本来は事業者が取引先から売掛金をもらう予定です。しかし取引先からの売掛金が入ってくるのにしばらく時間がかかります。どうしてもすぐに現金が欲しい事業者はファクタリング会社へ売掛金の債権を売ります。
それにより事業者に対し、売掛債権から手数料を引いた金額がファクタリング会社から入金されます。
この段階で、もともと事業者に入るはずだった売掛金を手にすることができる権利は、売掛債権を持っているファクタリング会社となったわけです。
取引先からしてみると売掛債権は事業者にあると思っています。そのためしばらくすると、事業者には取引先から売掛金の入金があります。しかし実際に売掛債権を持っているのは事業者ではなくファクタリング会社です。そのため事業者には受け取る権利がありません。
なので入金された売掛金をファクタリング会社に送金するのです。この「送金すること」を「返済」と表現する人がいます。しかしファクタリングの性質上、お金の貸し借りはありませんので「返済」という表現は適しておらず「送金」など他の言葉に置き換えて表現されています。
いつファクタリング会社へ送金(返済)する?
ファクタリング会社へは売掛金が入ってきた段階で送金します。
事業者とファクタリング会社が契約を結ぶ際には、金融機関ほど厳しくはありませんが審査がおこなわれます。その際、いつ売掛金が入ってくるのかヒアリングをされることになります。それは取引先に提出した請求書で確認したり、事業者が取引先と継続的な取引を行っているのであれば事業者の預金口座を確認することで、売掛金の入金日の予想を立てることができます。
そして売掛金が入ってくる日がある程度判明すれば、「その日を基本として数日以内に送金」とう内容の契約を結ぶこととなります。
売掛金が取引先から事業者の元に入ってきてからの送金となります。そのため送金するためのお金がないといった現象は起こりません。ただし他のことにお金を使わなければ・・・の話ですが・・・。
借金の場合ですと、借金を返済するために借金をするという悪循環を生むケースもあります。つまりお金がない状態で返済するという事態が起こりえるのです。
ところがファクタリングの場合、少なくても売掛先から売掛金が入ってきてからの送金となります。そのためファクタリング会社へ送金できない・・・といったことには通常ならないのです。
ファクタリング会社
取引先から予定日に入金されなかったら
取引先から予定日に売掛金が入金されなかった場合。ファクタリング会社によって対応は異なるかとは思いますが、しばらく様子を見てくれることが多いです。なぜなら、取引先からの入ってくる売掛金に関しての契約となっているためです。入ってこなかったらもらうことはできません。
ただし、取引先の経営が傾いてしまったり、倒産してしまった場合にはファクタリング会社にとっては頭を抱える事態となります。なぜなら事業者の元へ売掛金を支払う取引先自体が無くなってしまうためです。このような場合、ファクタリング会社と契約した際の「償還請求権の有無」により事情は変わってきます。
契約をした時に「償還請求権アリ」であれば、事業者はファクタリング会社に補償をする必要があります。「償還請求権ナシ」であれば、事業者はファクタリング会社に対し何の補償もする必要がありません。これは非常に重要なポイントとなります。契約時には必ず償還請求権については確認するようにして下さい。ちなみにですが、大抵のファクタリング契約は償還請求権ナシとなっています。
一部だけの送金は可能?
ファクタリング契約において、一部だけの送金は普通はありません。それは貸金業に該当する可能性があるためです。
たとえば事業者が、100万円の売掛債権をファクタリング会社に譲渡したとします。手数料を引かれ90万円の現金が事業者に入ってきたとします。この時点でファクタリング会社は、売掛債権こそあるものの、100万円のマイナスとなります。
しばらくして事業者のところに取引先から売掛金の100万円が入っています。ファクタリング会社は100万円の売掛債権を持っているわけですから、100万円受け取る権利があります。
しかし事業者の会社の経営が厳しく、入ってきた100万円をファクタリング会社に送金しないとします。すると事業者には詐欺罪が適用される可能性が高いです。
そのため、売掛金が入ってきたら全額ファクタリング会社に送金しなくてはなりません。
ファクタリングでの返済(送金)は一括が原則
ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」がありますが、そのどちらもファクタリング会社への返済(送金)は一括が基本となります。
ファクタリング会社
2社間ファクタリングは事業者が一括送金(一括返済)する必要がある
売掛金が取引先から入金されたら、ファクタリング業者へ全額送金(返済)する必要があります。その際、手数料を上乗せして返済します。ただし売掛債権をファクタリング会社へ売却した時点で手数料は引かれていますので、入ってきた売掛金をそのまま送金すればよいです。
たとえば「今月も資金繰りが大変だから少し手元に残しておこう」ということはできません。
2社間ファクタリングですので、売掛先から売上金を回収できたときには、事業者が責任を持ってファクタリング会社に送金する必要があります。自動引き落としされるとかそのようなものはありません。
参照 2社間ファクタリング
3社間ファクタリングは事業者が返済する必要がない
3社間ファクタリングの場合は、事業者が売掛金を送金する必要はありません。なぜならお客様の売掛金の債権はファクタリング会社にあるため、売掛先はファクタリング会社に対して支払いをすることになるのです。
送金する必要がなく一見楽そうに感じられますが、3社間ファクタリングの場合、とても大きなデメリットがあります。それは「事業者がファクタリングを利用したことをファクタリング業者は売掛先に通知しなければならない」ということです。
これにより売掛先は、今まで取引していた事業者が資金難であることを知ってしまいます。そのため今後の取引に影響を及ぼす可能性が出てきてしまいます。
ファクタリング会社からしてみれば売掛先に知らせることで、回収するリスクを軽減することができます。これにより手数料を下げることができるのです。
参照 3社間ファクタリング
他に売掛債権を持っていれば追加で資金調達をすることができる
ファクタリングは何度でも利用することが可能です。
まず基本的にファクタリングというものは、「持っている売掛債権を譲渡する」ことです。そのため売掛債権を持ってさえいれば、そしてその債権を購入してくれるファクタリング会社があれば、資金調達をすることは可能です。
ただしファクタリング会社にもよりますし、それまでの取引の経歴にもよるのですが、契約の途中に違う売掛債権のファクタリングを追加で契約してくれるところは多くはないかもしれません。
一度最後までしっかりと取引をし、ファクタリング会社から「この事業者なら大丈夫」と判断された場合はこの限りではありません。
ここで気を付けなければならないのは、同じ売掛債権で複数のファクタリング会社から資金調達することは絶対にNGです。詐欺罪に該当する恐れが十分にあるためです。
ただ気を付けて欲しい 分割返済(送金)はできない
ファクタリングは手数料分を差し引いた資金を、ファクタリング業者が事業者に渡します。そして事業者は売掛金が回収できたら手数料を上乗せしてファクタリング会社に返済(送金)します。
この「返済(送金)」ですが、先ほどもお話しした通り一括でおこなわなければなりません。分割することはできません。
参照 ファクタリングで分割は不可能 分割返済できない2つの理由
そもそもファクタリング自体は貸金業ではありません。そのため「分割」という概念がありません。
もし分割という行為をおこなってしまうと、一般的にはその間も金利が発生してしまうため、貸金業法に違反することになるのです。つまりファクタリングではなく貸金業になってしまうのです。
そのためファクタリング会社を名乗っておきながら、分割返済を認めてしまう業者は、貸金業法に違反している業者ということになります。
ファクタリング会社
このようなこともあり、ファクタリングにおいて「分割は存在しない」ということになります。逆にいうと「分割をOK」としているファクタリング会社は、ルールを守っていないということになり、要注意ですので利用しない方がよいでしょう。
融資と資金調達はイコールではない 資金調達が借金とは限らない
「融資」や「資金調達」や「借金」という言葉がゴチャゴチャになってしまっている事業者がいるようです。
「お金が必要である」という点に関しては共通していますが、それらすべてが「借金」につながるわけではありません。つまりファクタリングのように「借りない資金調達」もあるのです。
ファクタリング会社へ、以下のような問い合わせが多いようです。
事業者
ファクタリング会社
事業者
ファクタリング会社
このようなやり取りがかなり多いようです。「ファクタリング=資金調達=お金を借りられる」という構図が出来上がってしまっているのかもしれません。
他を例に出して説明すると「八百屋に行って、私はお金が必要だから何とかしてくれ」と言っているようなものです。誰から見ても「え?」と思いますよね。
ただしもしあなたが何かしらの野菜を持っていて「この野菜を買ってくれないか」と八百屋に依頼したら買い取ってくれるかもしれません。
八百屋は野菜の専門店ですよね?ファクタリング会社は売掛債権の専門店なのです。それ以外のものは買うことは不可能なのです。
改めてお断り ファクタリングに「返済」という概念はない
このページ内では「返済」という言葉を使わせてもらいました。その方が伝わりやすいケースもあるためです。
しかし当ページ内、そして当サイト内でもお伝えしていますが、ファクタリングに返済という概念がありません。それはファクタリングが貸金業ではないためです。貸金業ではないため借金ではありません。借金ではないため返済がありません。
ファクタリングはお金を貸しているわけではありません。事業者の持っている売掛債権を購入しているのです。
結果として事業者はお金を手にしているかもしれませんが、全くの別物です。
違った表現方法をしますと、借金は売掛債権がなくてもできるものです。しかしファクタリングは売掛債権がなければできないものです。
よくある質問
ファクタリングの返済方法は?
そもそもですが、ファクタリングに「返済」という概念はありません。借金ではないためです。ファクタリングの説明の際には分かりやすくするために返済という言葉を使うことはあります。返済ではなく送金と表現されることがあります。
ファクタリングでお金を借りることはできますか?
ファクタリングでお金を借りることはできません。売掛債権を買い取ってくれるだけです。そのため、売掛債権を持っていなければファクタリングを利用すること自体できません。
ファクタリングは分割することができますか?
ファクタリングは借金ではないため分割はできません。売掛金が売掛先から入ってきたら、そのままファクタリング会社へ一括送金する必要があります。もし分割を認めてしまったら貸金業法に接触する可能性があります。
融資と資金調達は違うのですか?
資金調達とは、事業に必要な資金を調達することです。資金調達の中に「融資(借金)」があります。その他、モノを売って現金を得ること、単純にお金をもらうことも資金調達の中に入ります。 そのため「資金調達=融資」と思っているケースがありますが、それは正解でもあり間違いでもあります。