資金調達の方法の1つとして「セールス アンド リースバック」というものがあります。
簡単に説明しますと、「事業者(会社)が持っている財産を売却し資金調達します。売却したものを売却先からレンタルし、リース料を支払って今まで通り使い続ける。」といったものです。
「資金調達ができ、会社で今まで使っていたいたモノもそのまま使うことができる」といったもので、ただし今まで会社で使っていたものの所有権はもうないため、所有権を持つ人に対してリース料を毎月支払っていく必要があります。
セールス アンド リースバックで資金調達とは
セールス アンド リースバックの仕組みはシンプルです。
はじめに事業者の持つ持ち物を他の会社に売却します。売却するためその段階で資金調達ができることとなります。その後、売却したものを売却先からレンタルして利用します。これによりリース料を支払うこととなります。
もっと簡単に表現すると、「事業者(会社)の持ち物を売ってお金を得る。その後、自分の持っていたものを借りてレンタル料を支払う」といった感じです。
「事業者の持ち物を売却して資金調達する」といった面からすると、ファクタリングによる資金調達に似ている部分はあります。
対話形式でさらに分かりやすく説明
事業者
リースバック会社
事業者
リースバック会社
事業者
リースバック会社
弊社にとっては継続的に収入が入ってくるといったメリットがあります。
事業者
リースバック会社
事業者
リースバック会社
ここまででセールス アンド リースバックの仕組みは理解いただけたと思います。
セールス アンド リースバックの良い点としては以下の通りです。
- 売却対象の者の価値で判断される。
- 今まで通り利用することができる。
- 売却するものによっては固定資産税が不要となる。
- 将来的に買い戻すことも可能。
一見良いことばかりのように思えますが、デメリットもあります。
- 売却価格が相場よりも安くなりやすい。
- リース料が相場よりも高くなりやすい。
- 買い戻す場合、売却価格よりも高くなるケースがある。
- 将来的に買い戻すことも可能。
会社の持つ財産を売却することで、まとまった資金を調達することができるのはメリットと言えます。また会社の環境を変えずに仕事を続けられるというのもメリットでしょう。ただしすでに売却してしまったものをレンタルして利用するため、レンタル料が毎月発生してしまいます。長くレンタルすればするほどトータル的に見てマイナスになりがちです。
リースバック会社
詳しくは以下のサイトを参照してください。
困惑してしまう事業者も
セールス アンド リースバックはもともと自分の持ち物を書いてに売却し、リース料を支払って利用し続けるといったものです。
もともと自分の持ち物であったため、リース料を支払っているという点に分かってはいるが腑に落ちるような落ちないような、といった違和感を覚えることもあるかもしれません。
事業者によっては
事業者
と思うこともあるかもしれません。とはいっても資金調達はできているのですけどね。
ファクタリングに似ている資金調達方法ではあるが・・・
事業者
セールス アンド リースバックは、会社の持つモノを売却して資金調達するといった点ではファクタリングに似ているところがあります。
会社の体力内で資金調達
事業者(会社)のモノを売却して資金調達しているということは、会社の体力内で資金調達できているのです。
時に事業者は、無理な資金調達をおこなうことがあります。借金をしてでも経営を盛り上げよう、もしくは立て直そうと考えます。もちろん悪い考えではないですし、多くの事業者が事業資金の融資を受け、会社を大きくしたり、ピンチから脱したりしています。
しかし中には、そうではない事業者もいます。借金というのは返さなければなりません。それも利息を上乗せしてです。借金をして計算通り事業が上手く成長すればよいのですが、そうではない場合、事業目的が借金返済となりかねないことも・・・。
会社の体力内で資金調達することは、大きな成長を期待しにくいかもしれませんが、大きくマイナスになるというリスクも軽減します。
事業者
資金調達までに時間が必要
セールス アンド リースバックで資金調達する場合には、対象となるモノの査定を行います。「セゾンファンデックス」や「インテリックス」といったサービスがありますが、契約までに2週間~1ヶ月は見ておいた方がよさそうです。
会社に「不動産」や「車」、「機材」など、売却できそうなモノを持っており、それらを売却してその後レンタル料を支払って利用し続けても良いと考えている場合、資金調達までに2週間~1ヶ月時間を要しても良いという場合には、1つの資金調達方法の候補として考えておいてもよいかもしれません。
事業者
それに買い取り手が見つかるのに時間がかかることもあると言うし・・・。
このような考えも仕方のないことかもしれません。その場合はセールス アンド リースバックでの資金調達は避けた方がよいかもしれません。
すぐに資金調達したい!には向かない
「すぐに資金調達をする」という面に焦点を当てるとするならば、セールス アンド リースバックは向かないかもしれません。なぜなら資金調達までには2週間~1ヶ月必要とされているためです。
まず問い合わせをします。その後、経営の財務状況などの確認があります。次に売却するモノの査定、売却価格、月々のレンタル料を決めていきます。
問題点としては、そもそも売却しようと考えている会社のモノを条件内で買い取ってくれるかどうかです。条件の範囲内で買い取ってくれる会社が現れればよいのですが、そうでなければ資金調達まで時間がかかりますし、何よりも買取先がずっと現れない可能性すらあります。
すべてうまく事が進んでの2週間~1ヶ月であるため、動いてみなければ分からないという現実もあります。
一方、すぐに資金調達できる方法としてはファクタリングやビジネスローンという選択肢もあります。先ほどもお話ししたように、ファクタリングとセールス アンド リースバックは、資金調達方法として似ている部分があります。事業者(会社)が持っているモノを売却することで資金調達するといった面です。
参照 9つの資金調達方法
ファクタリングと似ている部分もある
セールス アンド リースバックは自社の持つモノを売却して、資金調達を行ないます。ファクタリングはやはり自社の持つ「売掛債権」を売却して資金調達を行ないます。持っているモノを売却しての資金調達となるため、借金には該当しません。
持っているモノを売却して現金を得るという点で、この2つは似ています。
ファクタリング会社
しかしその他の面を見てみると、まったく異なることがわかるかと思います。
所有者が異なる
まずセールス アンド リースバックで売却したものは、後にレンタル料を支払うことでレンタルして利用することができます。しかしファクタリングの場合、売掛債権を売却するため、後に利用することはできません。売掛債権の持ち主がファクタリング会社にあるためです。
資金調達までにかかる時間が異なる
次に、ファクタリングは早ければ即日のうちに資金を調達することが可能なのですが、セールス アンド リースバックに関しては、最低でも2週間~1週間必要となります。
継続性の有無
さらにセールス アンド リースバックは、レンタル料を支払い続ける必要があります。もしくは再び買い戻すことができます。ファクタリングの場合は、手数料を引かれた現金を手に入れた後は、レンタル料のように継続的に支払い続けるものはありません。
このように、事業者(会社)のモノを売却して資金調達する面では似ているのですが、それ以外は似ても似つかない性質を持っていることがわかるかと思います。