ファクタリングは、黒字倒産を避ける資金調達方法として非常に有効です。
資金調達の方法は、銀行などの金融機関からの資金調達だけだと思っている人もいるかもしれませんが、実は他にもあります。
そしてその中の1つの有力な方法として「ファクタリング」があります。利用するしないは別として、知識として持っているだけでもしもの時、最悪の事態を防ぐことができるかもしれません。
Contents
黒字倒産は良く起こる現象 資金ショートを回避するために
「黒字倒産」という言葉を聞いたことがありませんか?
事業者
このようなケースは、会社を経営する上では可能性としてある話です。
「売掛金はあるが今資金がショートしてしまい倒産してしまうこと」。これを「黒字倒産」と言います。
黒字倒産は決して特別なことではない
黒字倒産は決して珍しいことではありません。
多くの商売は、「商品やサービスを取引先に納品し、1ヶ月~2ヶ月後に納品した代金を得る」といったスタイルになっているかと思います。つまり「初めに商品を納め、後で商品代金をもらう」といったスタイルです。
これを「掛け取引」と言ったりします。
通常ですと、「商品は〇月〇日までに納品します。納品した商品代金は〇月〇日までにお支払いください」といった感じで取引は行われます。
ところが必ずしも商品代金が支払われるとは限らないのです。
そもそもですが、取引先から注文を受けた段階で、取引先の経営状況、資金状況を把握しているでしょうか?
取引先
事業者
このような話はしませんよね。場合によっては失礼に値してしまうためです。よって相手を信用し商品を納品することでしょう。そもそも注文してきているわけですので当然お金は持っていると思うのが一般的でしょう。
しかし現実問題として、商品を納めたのに支払いが行われないケースは珍しくはありません。
- 商品を仕入れて売却してから支払う予定だった
- 予定していた入金がなかった
- はじめから支払う気が無かった
結果として納品した商品代金が取引先から支払われない、もしくは支払いが遅れることにより黒字倒産になってしまうのです。
商品を仕入れて売却してから支払う予定だった
一般的には売掛金を支払うまでに1ヶ月~2ヶ月程度の時間があります。その間に、納品してもらった商品を売却し、その売却益の中から売掛金の支払いを考える事業者がいます。
しかし予想外に商品が売れ残ってしまい、結果として売掛金が支払えなくなってしまうといったケースはあるものです。
予定していた入金がなかった
商品を納品した取引先ですが、その取引先にも複数社の取引先があるものです。その取引先から予定されていた入金が遅れてしまった、もしくは無くなってしまったという場合には、今度は自分が買掛金を支払えなく無くなってしまうのです。
はじめから支払う気が無かった
はじめてお付き合いをする取引先の場合には、相手のことを良く知りません。結果としてあまり相手をよく知らないのに信頼してしまい被害を受けることがあります。
金融機関の融資を待つだけの時間がない
資金ショートに陥ってしまったとき、もしくは陥りそうなとき、真っ先に思い浮かぶのは銀行からの融資という人も少なくないでしょう。しかし銀行の審査には時間がかかることが多く、「今、資金が必要」というケースにおいては不向きでしょう。
そのため倒産を避けるために、「闇金」に手を出してしまう事業者も少なくはありませんが、それは避けたほうがよいでしょう。一時的に凌げたとしても、将来的に高い金利による継続的な返済により、さらに経営を圧迫する可能性が出てきてしまいます。
また事業者が資金調達のために闇金を利用したことが、取引先や金融機関に知れた場合には、これからの取引を中止してくる可能性が高くなることも。取引が中止されれば事業自体を続けることは難しいでしょう。
黒字倒産しそうでも金利の高いサービスの利用は考えもの
黒字倒産の可能性がある場合でも、金利の高いサービスは利用しない方がよいでしょう。
倒産を避けるために高金利の金融サービスを利用するくらいなら、倒産を考えた方がよいという意見もあるほどです。
金利の高い借金をしたとしても会社が立て直せる可能性は否定できません。
しかし「将来どうなるか分からないけど、とりあえず今を凌ぐため」というのであれば、一度冷静に考え直した方がよいかもしれません。それほど金利が高く継続的な返済が必要になる借金は危険なのです。
大事なのは黒字倒産を回避する方法を知っておくということ
大事なことは黒字倒産を回避する方法を知っておくということです。
黒字倒産は決して珍しいことではありません。会社の倒産理由の半数以上は黒字倒産なのです。
あらかじめ対策を講じておくことで、黒字倒産は回避できる可能性が高まるのです。
手元流動性比率を考える
「手元流動性比率」とは、「(現金預金+短期保有の有価証券)÷月商」で表すことができます。
要するに、自分で自由に動かせるお金(手元流動資金・手元流動性)はどのくらいあるのか?ということです。
自分で自由に動かせるある程度の金額を準備しておくことが大切なのです。
資金調達方法を知っておく
資金調達の方法を複数知っておくのも大切です。
そもそも黒字倒産はお金があれば起こりません。手元流動資金を確保しておいたり、何かしらの資金調達を利用して資金を用意することができれば問題を解決、もしくは先送りにすることができるのです。
参照 黒字倒産を回避する方法
ファクタリングで資金調達 資金難を最短即日で解決する方法
資金調達する方法は、金融機関や闇金だけではありません。注目されている資金調達方法として「ファクタリング」があります。
手数料は金融機関に比べ高くなってしまうこともありますが、それでも支払うのは初めの1度だけ。継続的に返済し続けることはありませんし、継続的に利息を払い続けるということもありません。
何と言っても大きなメリットは「最短即日で資金調達をすることができる」という点と「借金ではない」という点です。
つまりすぐに資金ショートを解決することができるため、会社経営を軌道修正しやすいのです。
事業者
参照 ファクタリングでの返済 ファクタリングは借金ではないため返済がない
金利を支払い続けるわけではないため見通しが立ちやすい
ファクタリングは資金調達をした後、返済をし続けるような借金ではありません。
持っている売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、資金調達するというものです。売掛先から売掛金が入ってきたら、それをそっくりファクタリング会社に送金することで終了となります。
はじめから手数料が引かれているため、利息におびえる必要がないのです。
しかし、その他の金融サービスで資金を調達した場合には、毎回決まった金利を支払い続ける必要があります。金利が低ければ問題ないのですが、金利が高い場合、その金利分の支払いがやっとになってしまいます。また長い期間返済をし続けていると、それだけ利子を払い続けているということになります。よくよく計算してみると思った以上の金額を支払っているということも・・・。
なにより、継続的な借金返済は精神的にストレスになります。ファクタリングであれば既に手数料を支払ってあるため、継続的なストレスは受けなくて済みます。余計な心配をせずに事業に集中することができるのは、会社経営をする上で重要なことです。
何度でもファクタリングを利用することはできる でも・・・
何度でもファクタリング会社を利用することは可能です。それはファクタリング業者が契約をしてくれればの話です。
何度もファクタリングを利用することで2つのことが考えられるようになります。
- 繰り返し同じファクタリング会社を利用することで信頼を得て、手数料が安くなる
- 繰り返しファクタリングを利用することで、ファクタリング契約を断られてしまう
この2つにはかなりの違いがあることは分かると思います。どちらの道に進むのか、もしくは進まされるのかは、実はあなた次第です。
ファクタリングを利用している理由が重要
ポイントとなるのは、繰り返しファクタリングを利用しているということは、「事業が右肩上がりもしくは現金主義など、仕事の回転率を高めることを重視している」もしくは、「頻繁に資金ショートに陥っている可能性がある」ということです。
ファクタリングの審査では、あなたの事業がどちらなのかある程度把握できます。
ファクタリング会社
事業が好調と判断できれば、ファクタリング会社は喜んで何度でも契約を結びます。そして他のファクタリング会社に行かないよう、手数料も緩やかにすることを提案してくることもあるでしょう。
ところが事業が業績不振で、頻繁に資金ショートを起こしている状態だと判断された場合は話が違います。今まで何度か契約をしてくれたファクタリング会社も突然契約をしてくれなくなります。
「事業者の売掛債権を購入しても、回収することが困難になるかもしれない」と判断するためです。回収することができなければ、事業者にお金をあげたのと同じことになってしまいます。
ファクタリング会社には取り立て行為ができないためです。そっくりそのままファクタリング会社の損失になってしまいます。このように大きなリスクを背負っているため、ファクタリングの手数料は高くなりやすいのです。
黒字倒産を回避するためにファクタリングが有効な理由
このように黒字倒産を回避するための有力な金融施策の1つとして「ファクタリング」があります。
ファクタリングが1番良い資金調達方法とはいえません。ただ有効な方法であることに間違いはありません。
事業を経営していて、少しでも「黒字倒産の危機」を感じたときには、何かしらの方法で資金調達することを考えておいた方がよいでしょう。その何かしらの方法の中にファクタリングがあるのとないのとでは、方向性が変わってきます。
資金が必要になるまでに少し時間的猶予(1ヶ月以上)があるのなら、金融機関などの融資を検討したり、補助金を検討するのもよいでしょう。ただし時間的余裕がない、とくに「1ヶ月以内に何とかしなければならない」というときには、選択肢はビジネスローンかファクタリングの2択になってくることでしょう。
ではビジネスローンとファクタリングのどちらがよいのか?ということですが、ケースバイケースでしょう。経営状況によります。そしてこの2つの資金調達方法には決定的に大きな違いが3つあります。
1つ目は「借金か借金でないか」、2つ目は「継続的な返済か一回の手数料か」、そして3つ目は「売掛債権の有無」です。
ビジネスローン | ファクタリング | |
---|---|---|
調達可能額 | ~約1000万円 | 売掛債権の金額内 |
担保 | 不要 | 不要 |
保証人 | 第三者保証人不要 | 不要 |
金利・手数料 | 約10%~約18%(金利) | 約5%~約30% |
審査 | 即日~ | 即日~ |
スピード | 即日~ | 即日~ |
信用情報への影響 | あり | なし |
借金か借金でないか
ビジネスローンは借金です。そのため貸借対照表に借金と記載されます。信用情報にも影響してきます。
一方ファクタリングは借金ではありません。そのため貸借対照表にも信用情報にも影響を及ぼしません。
参照 ビジネスローンで資金調達NG それならファクタリングが助けになるかも
継続的な返済か一回の手数料か
ビジネスローンは借金のため、完済するまで継続的に返済をし続ける必要があります。何より多くのビジネスローンは事業者自身が保証人となるケースがほとんどですので、たとえ会社が潰れてしまったとしても保証人である元事業者は返済をし続ける必要があります。
一方ファクタリングは初めの段階で手数料が引かれます。この1回の支払いで終わりです。たとえ会社が潰れてしまったとしても償還請求権というものがない状態での契約をすれば、何の責任も取る必要はありません。(ほとんどのファクタリング契約が償還請求権ナシでの契約となる)
売掛債権の有無
ここまでを見るとファクタリングの方がよさそうにも見えます。しかしファクタリングは売掛債権がなければ利用することができません。売掛債権の金額の範囲内でしか資金調達ができません。
一方ビジネスローンは、売掛債権があろうとなかろうと資金調達をすることができます。ここが大きな違いです
そのため、「売掛債権はないが、今すぐにでもまとまった資金があれば事業を軌道に乗せることができる!」というのであればビジネスローンを選択したほうがよいでしょう。「売掛債権があるのに今すぐ現金化できない。今すぐ現金化できさえすれば事業を盛り返すことができる」というのであればファクタリングという選択肢となることでしょう。
そのためはじめにもお話しした通りケースバイケースとなるのです。
参照 黒字倒産を回避する方法!売掛金があるなら資金調達することができる