「ファクタリングの審査は緩いです。なぜなら金融機関の審査とは審査のポイントが異なるためだからです。」
このように表現しているサイトは非常に多いかと思います。この文言、正しいと言えば正しいのですが、そうではないと言えばそうではないのです。
しかしファクタリングを利用しようと考えている人の多くが実は利用できていないという現実があります。それは「審査に行く以前にハジかれてしまっているため」なのです。
つまり審査にたどり着いていない事業者が多いのです。
実際に審査にたどり着けるのは10人に1人とも20人に1人とも言われています。ただこれは審査までの道のりが険しいというわけではありません。ファクタリングを勘違いし、ファクタリングを利用する条件を満たしていない事業者からの問い合わせが多いという現状があるためです。
ファクタリングのおさらい 売掛債権が必要
ファクタリングは審査自体は緩いです。しかしそれは審査された場合の話です。審査される前にハジかれてしまうケースが多々あります。
それはファクタリングのことを理解していない人が多いことが理由として考えられます。
ファクタリングとは、事業者の持つ売掛債権をファクタリング会社に売却することで、資金調達をすることです。つまり売掛債権があることが最低条件となります。
ところが、ファクタリングを申し込む事業者の中にはファクタリングはお金を借りることだと思っている人が少なくないようです。
ファクタリング会社
そのため、審査に進めない事業者が多いのです。
審査前にハジかれてしまう事業者の特徴
審査さえしてもらえないのは主に以下の4つです。
- 売掛債権がない
- 売掛債権金額が少ない
- 売掛債権金額以上の金額を必要としている
- 給与ファクタリングの申し込み
これらのいずれかに該当する場合、初めの問い合わせの段階で拒否をされることがほとんどでしょう。
ファクタリング会社
売掛債権がない
ファクタリングは売掛債権がなければ利用することができません。
しかし売掛債権がない状態で、ファクタリング会社に問い合わせをする事業者は少なくありません。
そういった事業者の多くは「ファクタリングはお金を貸してくれる」と勘違いしているようなのです。お金を貸してくれるわけではありません。事業者の持っている売掛債権を買い取るサービスです。
そのため売掛債権がなければ、サービスを利用するスタート地点にも立てないのです。
売掛債権金額が少ない
ファクタリング会社によってですが、最低買取額が設定されています。それが30万円であったり50万円であったりと、ファクタリング会社によってさまざまです。
それを下回る売掛債権を持ち込もうとしても、審査前に断られてしまうことが多いです。
売掛債権金額以上の金額を必要としている
ファクタリングは売掛債権金額以上の資金調達をすることはできません。
つまり持っている売掛債権が100万円のものだったとします。それに対し必要とする資金が120万円だったとしましょう。
ファクタリングにおいて資金調達できるのは100万円までの範囲内です。実際には手数料が引かれるため、もっと低い金額になります。
いずれにせよ、100万円以上の資金調達はできません。
給与ファクタリングの申し込み
ファクタリングは事業者、つまり経営者のためのサービスです。一部のファクタリング会社は給与ファクタリングのサービスを行っていますが、ほとんどのファクタリング会社では取り扱っていません。
これらに該当する人が非常に多く、審査のスタートラインにすら立てていないのです。そのため審査自体は緩いのですが、その前段階の審査を受けるスタートラインに立つのは、金融機関に比べかなりハードルが高いと言えます。
ファクタリングのことを理解した上で、売掛債権さえ持っていればほとんどの場合、審査はしてもらえますし、資金調達することが可能です。しかしそれ以上に、ファクタリングのことを理解しておらず問い合わせてくる人が多いというのが現状なのです。
審査まで行けばほぼ資金調達できる
審査のスタートラインに立てない事業者が多いファクタリングですが、審査さえされればかなりの高確率で資金調達することができます。
審査でハジかれてしまった原因
緩いとされる審査ですが、いい加減にしているわけではありません。しっかりと審査しています。これを適当にしてしまうと損をしてしまうのはファクタリング会社であるためです。
緩いとされる審査が通らなかった場合、大抵理由は以下の2つでしょう。
- 売掛先の信用力がない
- 売掛債権に疑惑がある
ファクタリング会社
売掛先の信用力がない
ファクタリングにおいて重要視されるのは「売掛先の信用力」です。
- 会社として成り立っているのか?
- そもそも実在するのか?
- これまでに売掛金の遅延はないのか?
- 継続的な取引があるのか?
などです。これらを満たしていないと審査でハジかれてしまう可能性があります。
とはいっても、これらのことは特別なことではありません。普通に会社間で取引をしていたら当たり前に行われている行為です。しかし中にはこの当たり前ができていないケースがあり、そういったケースはファクタリング会社にとってはリスクとなるため、審査の段階でハジいてしまうのです。
売掛債権に疑惑がある
売掛債権は偽造することができてしまいます。
売掛先とグルとなり、存在しない売掛債権を偽造するケースや、そもそも売掛先自体が存在しないケースなどもあります。
ファクタリング会社には時折、偽造された売掛債権が持ち込まれるケースがあります。偽造された売掛債権を掴んでしまったファクタリング会社は、莫大な損失を出してしまいます。それをファクタリング会社も分かっているため、怪しいと感じた売掛債権は損失を出す可能性があるくらいなら、初めから購入しない、つまり審査でハジいてしまうという結論に達するのです。
よくある質問
ファクタリングの審査は厳しいですか?
一般的にいうと厳しくはありません。しかし人によって厳しさは異なります。
審査を受けられないことはありますか?
あります。事業者であり売掛債権を持ってるという条件に満たしていなければ、審査を受けることはできません。
審査通過率はどのくらいですか?
よく言われているのは9割以上です。条件が揃っていれば基本的には審査に通過することは難しくありません。
審査を受けて落ちるケースはどのような場合ですか?
売掛先の経営状況が悪かったり、売掛債権が不透明な場合など、理由はさまざまです。