審査の甘いファクタリング会社を探している事業者もいるとは思いますが、審査が甘くなればなるほど裏がある可能性があります。
裏というのは、実はファクタリング会社ではなく貸金業である場合であったり、ファクタリングと謳っておきながら担保を取られたり、相場外の高い手数料を取られたりなどです。
まずそもそもの話ですが、審査が甘いとは何を指しているのでしょうか?
そして審査が甘いファクタリング会社があったとして、それを見つけた人はどのようにして見つけたのでしょうか?
そのあたりについてお話ししていきたいと思います。
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そもそもファクタリングの審査は甘い
そもそもの話ですが、ファクタリングの審査は甘いです。
これは他の金融機関の融資と比べての話です。普通に事業を行っている事業者が必要書類を提出すれば、基本的には審査に通ります。極論ですが、売掛債権を持っている事業者であれば、ほぼほぼ審査に通ります。全部とは言いませんが、審査に通してくれるファクタリング会社を見付けることはできます。
それでも審査に通らなかったとしたら、それは「第三者目線で判断できない取引」である場合です。
第三者目線で判断できない場合とは
たとえば口約束で行われた取引は第三者からしてみると、その取引が行われたかどうかを知る証拠がありません。
「契約書はありません。納品書もありません。でも取引は行われました。」
このように事業者に言われたとして、はいそうですかと信じるファクタリング会社は存在しないことでしょう。
審査が甘いは何を指すのか?
ファクタリングを利用する際には必ず審査が必要となります。審査がないということはありません。
必要な書類としては基本的には以下のものとなります。
- 商業登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 会社の業績を確認できる書類(決算書・確定申告書)
- 売掛先との基本契約書
- 売掛先との取引内容が記載されている書類(発注書、納品書、請求書)
- 入金履歴のある通帳
これらを基として審査を行います。
ファクタリング会社にはそれぞれ審査基準があり、それを満たしていれば審査に通過することになります。この審査基準は公にはされていません。
審査基準がファクタリング会社ごとに異なるため、何かしらの書類の不備があったとしても審査に通してくれる可能性はあります。
たとえば売掛先との契約書がなかったとしても、その後の取引の実態がつかめるような書類があれば、審査に通してくれる場合もあります。半面、少しでも必要書類が足りなければ審査に通さないケースもあることでしょう。
これはファクタリング会社の考え方次第というしかありません。
ファクタリング会社の審査を比べる方法はほぼない
どのファクタリング会社が審査が厳しく、どのファクタリング会社が審査が甘いのかを判断するのは正直難しいと思います。
ファクタリング会社の審査難易度をランキングにしているサイトがありますが、あれを作ること自体が本来は難しいはずなのです。
たとえばサイト制作者が同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に持ち込み、同時に審査をしてもらったとするのなら、審査の難易度を図ることができるかもしれません。そしてランキングを作成することもできるかもしれません。
しかしランキングサイトを作成するために、わざわざ複数のファクタリング会社に審査を行ってもらうでしょうか?ゼロとは言いませんが、あったとしても本当に少数でしょう。
なので、どのファクタリング会社が審査が厳しく、どのファクタリング会社が審査が甘いのか表現するのは難しいことのはずなのです。
インタビューの可能性
同じ売掛債権を同時に審査を通した事業者にインタビューをして、各ファクタリング会社の審査難易度を知るという方法もあるかもしれません。
しかしこの方法も少し難しいのです。
まず1つは、ファクタリングを利用したことのある事業者を探し出すことが意外と難しいと思うのです。というのも、ファクタリングを利用する事業者の多くは2社間契約を選択します。つまり売掛先にファクタリングを利用したことを知られないようにしているのです。
なぜそのようなことをするのかというと、資金繰りが悪化しているということを知られたくないためです。売掛先に資金繰りが悪化していることを知られたくないのに、わざわざファクタリングを利用したことをサイト運営者に語るでしょうか?どこからどのように情報が漏れてしまうかもわからないのに、インタビューに答えるかというと可能性としては低いのかなと思いました。
審査が甘いファクタリング会社の裏とは
口約束での取引によって発生した売掛債権を買い取ってくれたり、書類が不備の状態でも売掛債権を買い取ってくれるファクタリング会社は、注意が必要となります。
まず前提として、このような状態で債権を購入するファクタリング会社は普通はないためです。
それでも買い取ってくれるというのであれば、以下の可能性があります。
- ファクタリング会社と名乗っている貸金業者
- 貸金業法に違反しているファクタリング会社
- 以上に高い手数料を求めてくる
- 本当に審査が甘いファクタリング会社
あくまでもこれらは可能性ですが、時折耳にすることでもあります。
ファクタリングは貸金業ではないためお金は貸せない
ファクタリング会社は貸金業者ではありません。そのためお金を貸すことはできません。そして担保を取ることもできません。
あくまでも事業者の売掛債権を購入するサービスです。
そのため審査が甘く、「担保」や「利息」といった表現を使ってくる場合には、ファクタリング会社ではない可能性があります。さらに貸金業者でもない可能性があります。
事業者
このように考えていると、資金調達直後は良いかもしれませんが、将来的に大きなトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
たとえば毎日のように電話をかけてきたり、事務所に来たり、家に来たり、親族に連絡したり、取引先に連絡したりと、取り立て行為や嫌がらせ行為を受ける可能性があるのです。
普通、ファクタリング会社は取り立て行為を行うことはできません。それでもしてくるということはファクタリング会社ではない可能性が高いのです。
ファクタリング会社でもなく、貸金業者でもない、でもお金を貸してくれたとなると、正規の金融系の業者ではない可能性があるため、絶対に利用しないほうが良いのです。
審査の甘さならビジネスローンも有効
審査の甘さで言えば、ビジネスローンも候補に上がることでしょう。
審査は甘さに加え、資金調達までのスピードも銀行融資や補助金に比べるとかなり早いです。銀行融資に比べると金利は高くなってしまいがちですが、なるべく早く完済することができるのであれば、ファクタリングの手数料よりもお得です。
しかしデメリットとしては、事業者自身が保証人にならなければならないと言った点と、代表者がブラックの場合には利用ができない可能性が高くなることです。
ファクタリングとビジネスローンの審査は比較できない
審査が甘い資金調達方法として、ファクタリングとビジネスローンを挙げましたが、この2つの審査を比べることは難しいです。
なぜなら審査で見るポイントが異なるためです。
ファクタリングの場合は、とくに売掛先の支払い能力が審査に影響します。ビジネスローンの場合は、お金を借りる事業者の返済能力が審査に影響します。
どちらもお金を出す人間の信用性が問われるわけですが、ファクタリングは売掛先、ビジネスローンは事業者となるのです。
そのため、審査対象が異なってきます。
またファクタリングは売掛債権を売却して資金調達します。ビジネスローンはお金を借りて資金調達します。つまり資金調達の方法が異なります。
これらの理由により、審査で注目するポイントがそれぞれ異なり、結果として必要な書類も異なってきます。よってどちらの方が審査が甘いとは比べられないのです。
資金調達できれば何でも良いは・・・非常に危険
ファクタリングを利用する事業者の多くは、すでに資金繰りが悪化してしまっているケースが多いです。
そのため、どのような方法を使ってでも資金調達したいと考えている人も少なくありません。
だからと言って、資金調達方法をしっかり選ばなければ、資金調達後に現状よりもさらに悪い状態に陥ってしまう可能性があるのです。
当サイトでは、ファクタリングは有力な資金調達方法であると紹介しています。しかし繰り返しの利用は避けたほうが良いと考えています。
ファクタリングは手数料が高いです。使わなくて済むのであれば使わないほうが良いでしょう。資金繰りの改善をせず何度も利用をしていたら、近い将来には事業が潰れてしまいかねません。
そのため頻繁に利用するものではないと思うのです。万が一の時のための資金調達方法なのです。