
補助金・助成金とファクタリングを上手く併用させることで、資金繰りを改善させることができます。
結論から言いますと、ファクタリングを利用して短期的な資金難を回避し、その間、利用できる補助金や助成金の申請を行うといった方法です。
ファクタリングでの資金調達はすぐに行えます。しかし補助金や助成金で資金調達する場合には、数ヶ月時間を必要とします。
この2つの特徴の異なる資金調達を適切に利用することで、資金繰り問題を解決しやすくなるのです。どちらかだけに依存してしまうのもある意味危険でしょう。
補助金・助成金とファクタリングの2つの資金調達の違いを利用する
「補助金・助成金」と「ファクタリング」では、大きく異なる特徴として「資金調達までの時間」と「手数料」が挙げられます。
補助金や助成金は返済義務がありません。そのため本来であればこちらを積極的に利用したいところです。ところが現金が手元に来るまで時間がかかります。その間に会社が持てば良いのですが難しいケースもあることでしょう。
その間のつなぎとしてファクタリングで資金調達をするのです。ファクタリングは早ければ即日で資金調達可能です。しかし比較的高めの手数料が必要となります。
もし現在資金繰りに悩んでいるのであれば、ファクタリングを利用して資金繰りを改善し、その間に利用できる補助金や助成金に申し込んでおくといった方法が一般的でしょう。
補助金・助成金 | ファクタリング | |
---|---|---|
調達までの時間 | 2ヶ月〜1年 | 最短即日 |
利息・手数料 | 返済義務なし | 売掛債権の10%〜30% |
参照 ミラサポplus 補助金・助成金 中小企業支援サイト(中小企業庁)
ビジネスローンを利用しても良い
補助金や助成金を受けるまでの間の資金繰りとして、ビジネスローンを活用すると言う方法もあります。
しかしビジネスローンは借金であるため、毎月の返済が必要となります。返済回数にもよりますが、長い間完済をしないでいると大きな利息を取られてしまうことになります。さらに借金であるため、負債の履歴が貸借対照表に残ることになります。
場合によってはの話ですが、もし銀行などの金融機関から融資を受けようと考えている場合、もしくは将来的に利用しようと考えている場合、貸借対照表が審査で見られることになり、そこに記載されているビジネスローンを利用した際に記載された負債が、審査に影響を及ぼす可能性もあるとされています。
ファクタリングでの資金調達は持っている売掛債権を売却するため、借金にはなりません。つまり負債にならないということです。
このようなこともあるため、短期的な資金繰り改善のためにファクタリングを利用する事業者もいます。
売掛債権がなければ利用できないファクタリング
ファクタリングは売掛債権を売却し資金調達します。つまり売掛債権がなければ利用することができません。
もし売掛債権がない状態で、短期的に資金ショートを改善させようと考えているのであれば、ビジネスローンか動産担保融資、セールスアンドリースバックなどを利用することになることでしょう。
補助金・助成金とファクタリングの利用の注意点
補助金・助成金とファクタリングを利用する際には注意が必要でしょう。
とくにファクタリングを利用する際には注意が必要です。なぜなら手数料が高いためです。多少事業資金に余裕があるのなら、無理にファクタリングを利用しなくても良いかと思います。
ただしファクタリングを利用しない代わりにビジネスローンを利用するというのであれば話は別です。ビジネスローンも利息が高いためです。
補助金や助成金の申請を行い、採択されるまでの資金繰りの方法としてファクタリングを利用することは良いと思います。ただしその時も、できるだけ手数料の低いファクタリング会社を選べるとよいでしょう。
手数料の低いファクタリング会社の探し方
ファクタリングの手数料は10%~30%が相場と思っていたほうが良いでしょう。
10%~30%というと、かなりの開きがあります。100万円の売掛債権を売却したときに手元に90万円あるのか、それとも70万円あるのかというと、かなりの違いとなります。もし売掛債権が1000万円だとしたら、手数料が10%であれば手元に900万円、30%であれば700万円となります。
ファクタリング会社に売却する債権の金額が大きくなればなるほど、手数料の違いが大きく影響してくることでしょう。
そのためにも、なるべく手数料の低いファクタリング会社を選びたいところです。
相見積もりが必須
ファクタリング会社のサイトには、最低手数料が掲載されています。しかしそれは実際の数字とは異なるケースが多く、あくまでも最低手数料であり、この数字で契約できるケースは稀でしょう。
サイトに最低手数料が5%と書かれていたとしても、実際に契約する際には20%になることはよくある話です。
そのような時には、複数社に相見積もりを取ってみるとよいでしょう。すべてのファクタリング会社が応じてくれるとは言いませんが、多少手数料を低くしてくれることもあることでしょう。
逆に相見積もりをしないでいると、手数料はファクタリング会社の言い値となってしまうことがほどんどでしょう。
補助金・助成金とファクタリングは専門家に相談
補助金・助成金とファクタリングを利用する際には資金調達の専門家に一応相談した方が良いと思います。
補助金申請は内容が難しい
まず補助金に関してですが、非常に多くの補助金が存在します。後々の経営のために少しでも良い条件の補助金を受けた方が良いとは思いますが、良い条件の補助金を探すのも専門的知識がないと難しいことでしょう。
さらに補助金や助成金を受ける際には、大量の書類を提出しなければなりません。そしてそれらの書類全てに適切な情報を記入する必要があります。
専門家であれば、どこに何を書くのかが今までの経験上、そして持っている専門知識で把握することができますが、申請に慣れていない人間が書類を作成すると、何かしらのミスが発生する可能性が高くなります。それにより補助金を受けるまでの時間が伸びてしまったり、補助金自体を受けられないと言う自体を招きかねません。
専門家に書類作成をお願いすると手数料が必要となります。しかし手数料を支払ってでも、間違いない書類を作成してもらい補助金を受けられる確率を少しでもあげた方が効率的であると考えます。
ファクタリングは適切な交渉が必要
ファクタリングを利用する際に肝心なのは「いつまでに現金を手に入れることができるのか」という点と「手数料はいくらなのか」ということです。
これはすべて契約書に書かれていることであり、契約の段階でしっかりチェックすることができれば良いのですが、なかなかそうはいきません。
まず口頭ベースで現金を手に入れられる日や手数料の提示を受けます。
手数料に関してですが、ファクタリング会社によって大きく異なります。それを知っているか知っていないか、さらには手数料を少しでも低くするための交渉術を持っているかどうかで、調達できる金額に大きな差が出てくるのです。そういった交渉ごとも資金調達の専門家がサポートに入ることで、大きく損をしないようになるのです。