記事内には広告が含まれています。

2020年2月現在、世界的に経済問題が広がりを見せています。メディアでも報道され始めましたが、人体への影響はもちろんのこと、経済への影響が大きくなりつつあります。

なぜ経済への影響が出てしまうのかというと、1つは中国企業とのつながりが挙げられるでしょう。多くの日本企業は商品を中国で生産しています。その生産がストップしてしまえば、商品を得ることができません。商品が無ければ売り上げも立ちません。固定費ばかりがどんどん消費されていってしまいます。

結果として、経営難に陥る企業が増えていきます。

「資金繰りを解決するためにファクタリングを使えばよいのでは?」

と考える事業者がいるようですが、確かに契約形態だけ気をつければ問題解決できるかもしれません。

それは3社間ファクタリングを利用するということです。

2社間ファクタリングでの契約を選んでしまうと、今回の影響を受けた結果で資金繰りの問題を抱えている事業者に対し、ファクタリング会社が債権購入をするかというと、正直難しいかもしれません。それは債権が不良債権化する可能性があるためです。ファクタリング会社は基本的に不良債権を購入することはありません。不良債権化するということは売掛金が入ってこない可能性が非常に高く、あまりにもリスクが高いためです。

普段は敬遠されがちな3社間ファクタリングだが

3社間ファクタリングは、普段であれば敬遠されがちです。事業者にとっても、ファクタリング会社にとってもです。

事業者からしてみると、売掛金先にファクタリングを利用したことが知られてしまいます。つまり資金難、経営難であることが知られてしまうわけです。取引先が資金難であったり経営難である可能性がある場合、将来的な取引をネガティブに考える会社は少なくないことでしょう。

ところが今回は事情が事情なので売掛先も理解を示してくれる可能性があります。あくまでも可能性の話ですが。

ファクタリング会社からしてみると、3社間契約は手数料が低いため利益率が悪くなります。利益を出すためには2社間契約の方がよいのです。ところが現状では債権が不良債権化しやすく、ファクタリング会社からしてみても債権の購入が今まで以上にリスクが高いのです。

これらのことを考えると、3社間ファクタリングという選択が、事業者にもファクタリング会社にとっても悪くはない選択になるのです。

ただし様々な売掛先の会社がありますので、理解を示してくれると判断できる場合において利用したほうがよいでしょう。

\ 事業者限定! /

 

中国関連企業とのつながりで発生するリスク

今回、なぜ経営難に陥る企業が出てきてしまうのかを考えたいと思います。

あくまでも1つの例ではありますが、多くの日本企業は、中国に工場を持っています。日本で商品を生産するよりもコストが低く済むということからでしょう。

通常であれば以下のような仕組みとなっています。今回登場するのは親会社となるA(日本企業)、Aの仕事を受注しているB(日本企業)、Bから仕事を受けているC(中国の工場)

  • A(中小企業)
  • B(中小企業)
  • C(中国工場)
一般的な流れ

  • AがBに商品の制作を依頼。
  • Bは中国のCに商品制作を依頼。
  • しばらくしてCはBに商品を納品。・・・CがBに売掛金がある状態。
  • Bは納品された商品をAに納品。・・・BがAに売掛金がある状態。
  • AがBに支払う。BはCに支払う。

これが何の問題もないときの流れです。

問題は今回のように中国の工場がストップしてしまった場合です。

中国の工場がストップの場合

  • AがBに商品の制作を依頼。
  • Bは中国のCに商品制作を依頼。
  • ところがCは商品制作ができない状況。
  • それにより、Bは商品を手に入れることができなくなってしまう。
  • このことからBはAに商品を渡せなくなる。
  • AはB以外に仕事を回すことになる。・・・Bは仕事を失う、もしくはそもそも仕事を受けられない・・・経営難に陥る
  • B以外の会社は足元を見て高く見積もりをしてくる。もしくは同じような会社が他にもあり、Aの仕事を受けてくれるところが無くなる・・・Aが経営難。

上記したような話でなかったとしても、どこか1ヵ所で問題が発生してしまうと、流れがストップしてしまうのです。

ここまでの段階で、AもBも経営難の状態となります。多くの経営者はこう考えます。

「手元にある売掛債権を早い段階で現金化しておかないと、取引先の会社が潰れてしまっては回収することができなくなってしまう・・・。」

たとえば今回のような場合。AからBに対し、もしくはBからAに対してどちらでもよいのですが、売掛金があったとします。AもB、どちらも経営難です。つまりお金がない状態です。どこにも支払いができない状態です。

請求してもお金が支払われない状況、売掛金があるのに支払ってもらえない状況、売掛先からしてみても払いたくても払えない状況。

つまり売掛金(売掛債権)は不良債権化する可能性があります。

不良債権は買い取ってくれない

ファクタリング会社の多くは不良債権を嫌います。不良債権とは回収見込みのない、もしくは回収できる可能性が少ない債権(売掛金)のことです。

ファクタリングの流れ

  • 1.事業者は売掛債権をファクタリング会社に売却。
  • 2.ファクタリング会社は手数料を抜いた金額を事業者へ渡す。
  • 3.事業者は資金調達できた。
  • 4.この段階ではファクタリング会社はマイナス。
  • 5.数ヶ月後、事業者の元に売掛先から売掛金が入ってくる。
  • 6.そのままファクタリング会社へ送金します。
  • 7.手数料分、ファクタリング会社の利益が確定。

これがファクタリングの流れです。

ところがファクタリング会社が不良債権を購入した場合、以下のようになる可能性があります。

ファクタリングの流れ(不良債権の場合)

  • 1.事業者は売掛債権をファクタリング会社に売却。
  • 2.ファクタリング会社は手数料を抜いた金額を事業者へ渡す。
  • 3.事業者は資金調達できた。
  • 4.この段階ではファクタリング会社はマイナス。
  • 5.数ヶ月後、事業者の元に売掛先から売掛金が入ってくる・・・予定だったが入ってこない。倒産していたため。
  • 6.ファクタリング会社へ送金できない。
  • 7.ファクタリング会社は②で事業者に渡した金額分、赤字となる。

不良債権を購入することが、どれだけファクタリング会社にとってリスクのあることか分かるかと思います。

ただし冒頭でもお話ししましたが、状況が状況です。資金難に陥ってしまうのは致し方のないことではあります。それを売掛先が理解してくれるというのであれば、ファクタリングを堂々と利用してもよいかもしれません。

世界的な経済問題の影響における経営難について

では今回、2020年2月末の段階での世界的経済問題の影響における、ファクタリング業界の動向はどのようなものでしょうか?

あくまでも個人的な意見となりますが、一連の取引の中に中国関連企業が入っている場合には、ファクタリング会社として債権購入をためらう可能性は考えられます。つまりA、B、Cの3つの会社で事業が成り立っているとして、そのどれかが中国関連であった場合にはということです。

またAやBやCが、そのほかの取引先として中国関連企業が入っていても厳しいかもしれません。

そのように考えていくと、いずれにしてもどこかでは中国関連企業、工場にたどり着いてしまう可能性があります。

つまり現段階で債権を購入することは、今までよりもリスクが高くなり、不良債権を掴んでしまう可能性があるのです。このようなことから、リスクの少ない少額債権の取り扱いに注力するかもしれませんし、今回の影響が少なくなるまで業務を一時停止する会社も出てくるかもしれません。それほど不良債権を掴むということは大きな痛手なのです。

ファクタリング会社も大きな影響を受ける

ファクタリング会社は、事業者の売掛債権を購入することで初めて商売が始まります。

参照 ファクタリングとは?を図解で説明

 

そのため債権を購入しなければ利益を上げることができず、経営難となってしまいます。

では不良債権を購入するのか?というと当然明らかなものは購入しないでしょう。ただ多少リスクはあるが・・・というものは、その会社判断となってくるかもしれません。

とはいえ、今まで以上に大きなリスクを抱えることは間違いなく、難しい状況になってきていると思います。

3社間契約であれば

ただしですが、3社間契約を行なえば、ファクタリング会社のリスクは大きく軽減します。

ファクタリング会社からしてみると、利益は下がってしまうものの、商売を続けていくことができます。また今回の問題が解決できたときには、継続的なお客さんになってくれるかもしれません。

経済産業省の支援策への期待

2020年2月28日。日本政府はこの問題(2020年2月28日時点)に関して、資金繰り支援(貸付・保証)、セーフティネット貸付など、対策を講じてきているようです。

参照 経済産業省の支援策

 

これが実際どうなるのか、申請すればすべての事業者が恩恵を受けられるのか否かなど分かりませんが、もしうまく機能するようであれば、債権が不良債権化する可能性が一気に低くなります。

日本にとっても、企業の売り上げが落ちるのは大きな痛手です。結果として税収が一気に減るためです。

今後、どのようになるのか情報を注視したいと思います。

\ 事業者限定! /

 

追記 ヤフーニュースでも記事が掲載されている

2020年2月29日のヤフーニュースでも、ファクタリングが資金繰りの方法として考えられるといった内容の記事がアップされていました。

※現在は記事が削除されています。

なお手数料相場は、売掛金の1.5%未満程度です。

とありますが、実際そこまで低い手数料で取り扱う会社がどれほどあるのかは疑問ではあります。3社間であれば5%~10%は手数料となるケースが多いためです。また今回の状況下では、もっと高い手数料を提示してくるファクタリング会社も出てくるかもしれません。

とはいえ、資金繰りの改善につながるのは事実でしょう。