ファクタリングを誤った解釈をしてしまっている人が非常に多いようです。
ヤフー知恵袋で「ファクタリング」と検索すると、ファクタリングに関連した質問が多く表示されます。そして質問する側、そして回答する側がファクタリングについて誤った考えを持っていることがわかりました。
質問する側としてはファクタリングについてわからないから質問するのであり、誤った解釈をしていても仕方のないことです。しかし回答する側の適切ではない回答がベストアンサーとして選ばれていることが多く、そしてベストアンサーとされていることで、他の人が見た時にあたかも正しい回答であるかと誤解してしまう可能性があるのです。
ということで、ここではヤフー知恵袋にあった質問に対して、誤った回答をしている、そしてそれがベストアンサーとなっている回答を、弊社の基準で回答していきたいと思います。
Contents
ファクタリングの請求書提出とは
まず質問者は以下のような質問をしています。
ファクタリング?って請求書等提出これってこれから入金予定の請求書等の事ですか?
審査通れば希望額貸し付けてくれて取引先から入金が入れば返済って感じなんですか?
それに対して回答は以下です。
仰る通りです。請求書を基に請求する権利を担保にお金を貸してくれます。
決して誤った回答ではないとは思いますが、弊社の認識とは異なる点が見受けられたので言及したいと思います。
請求書を担保にするわけではない
ファクタリングは債権を売却するものであり、請求書を担保とするわけではありません。なぜなら担保とするということは、もし売掛金が取引先から入金されないときには、債権を売却して得たお金をファクタリング会社に戻さなければならないということになるためです。
ファクタリングの契約は基本、償還請求権なしの契約となります。つまり取引先から売掛金が入金されなかったとしても、債権を売却して得たお金はファクタリング会社に戻さなくても良いという契約なのです。その分、ファクタリング会社からしてみるとリスクが高く、そのため手数料が高くなりがちなのです。
参照 償還請求権とは
このようなこともあり、債権を担保にしてお金を借りるわけではなく、債権を売却してお金を得るということになるのです。
貸金業ではないためお金を貸せない
そもそもなのですが、ファクタリング会社は貸金業ではありません。つまりお金を貸すことができません。
一見貸金を行っているかのうように捉えられることもあるのですが、あくまでも債権を売却した時に発生する売却益が資金調達できたという認識となるのです。
1200万円の債権があるのにファクタリングが利用できない
債権があるのにもかかわらず、ファクタリングを利用できないという方からの質問です。
設計を生業にしています。何とかあと5日で120万円お借りたいです。しかしもうお金を用意する手立てがありません。ちなみにファクタリングとマイカーローンは審査不可でした。以降、採算が経たなければ自己破産でもするのですが、遅くともこの10月末からは1200万円の入金が確定していること、それ以外にも約300万円の入金の可能性が高いことから、何とかこの5日で120万円をお借りして、10月末に返済させて頂くことはできないものかと考えております。利息相当額は4か月間になりますので120万円をお借りして20万円程度を加えた額をご返済することを考えております。どなたか、上記金額を借りる術をご教示頂けないでしょうか?もちろん、上記の1200万円の収入源は書面で証明できますし、私自身お会いして身の回りが問題ないこともしっかりご説明させて頂きます。あと5日しかありません。
一部のみ抜粋させていただきました。
この質問に対してのベストアンサーは「親・兄弟・親戚に借りること」でした。
しかし当サイトとしての回答としては違ったものとなります。
お金を借りることはできない
1つ前の質問についても言及した通り、ファクタリングでお金を借りることはできません。
そのため「5日で120万円借りたい。しかしファクタリングの審査は不可だった。」という点ですが、この文脈でいうと、「ファクタリングに申し込みをして120万円を調達したかったのだができなかった」ということであれば正しいかと思いました。
債権が確定しているのならファクタリングを利用できる可能性が高い
この質問者の言っていることが事実であれば希望があると思いました。それが以下の部分です。
「遅くともこの10月末からは1200万円の入金が確定していること、それ以外にも約300万円の入金の可能性が高いことから、何とかこの5日で120万円をお借りして、10月末に返済させて頂くことはできないものかと考えております。」
まず1200万円の入金が確定しているということですので、それであればファクタリングを利用できる可能性は高いです。しかし前述していたようにファクタリングの審査が不可だったということから、複数のファクタリング会社に話を聞いていない、もしくは入金時期が問題となった可能性、さらにはそのほかの問題があるかと思います。
入金時期が不安要素の1つ
この投稿は7月にされており、入金が10月末にあるとのことです。つまり売掛金が入ってくるまでに3ヶ月以上の時間があるということです。
一般的にファクタリング会社は回収サイトの短い債権を好みます。そのため3ヶ月先に入ってくる売掛金の債権の購入には積極的にならない可能性があるのは事実です。とはいえ「1200万円の収入源は書面で証明できますし、私自身お会いして身の回りが問題ないこともしっかりご説明させて頂きます。」とあります。
売掛金が確実に入ってくるということを証明することができれば、高い確率で取り扱ってくれるファクタリング会社は存在するはずです。
もしファクタリング会社複数に声をかけた状態で断られていたとするならば、1200万円の収入源というものを本人は証明すると思っていたかもしれませんが、ファクタリング会社からしてみると証明にならなかったという可能性はあります。
確定している証拠が必要
「入金が確定している」と表現していますが、この言葉をそのまま鵜呑みにするファクタリング会社は存在しません。また「入金の可能性が高い」という表現もありますが、同じようにその言葉をそのまま鵜呑みにするファクタリング会社は存在しません。
ファクタリング会社から見て「確実に入金される」と判断できなければならず、それにはファクタリング会社の求める情報を嘘偽りなく提供する必要があります。ただでさえリスクの高い商売のため、少しでもつじつまが合わない情報がある場合には、ファクタリング会社としては話を前に進めるのを躊躇します。
ファクタリングは投資ではない
友達から投資を勧められました
友達から、ファクタリングという投資?があると連絡がきました
家族などの3人で合計60万くらい預け入れれば毎月3万近く金利が返ってきて、1年は60万をおろせないけど1年後は元本そのまま引き出せる
やろう!と、、ファクタリングを調べたけどあまりよくわからないのですがこれは投資なんでしょうか?
よろしくお願いします。
この質問に対しては複数のコメントがあったのですが、当サイトからの回答させていただきます。
質問された方はファクタリングのことをあまり知らないようです。まずファクタリングは投資ではありません。
ファクタリング自体は投資ではない
「60万円を預けることで毎月3万円の金利が返ってくる」ということですが、まずそもそもこういった話は怪しいです。それは複数の回答者も言っていることです。そしてこれをファクタリングとして考えた場合、ありえない話ではないと思います。
つまりこの質問者の知人はファクタリング業を行いたいと思ったいたのでしょう。ファクタリング業を行うためには原資が必要となります。そこでそれを集めるために友人知人に声をかけ、毎月一定額のバックと表現したのだと思います。
ただしなのですが、たとえば60万円で債権を購入したとします。一般的なファクタリングの手数料は10%〜30%となります。そのため12万円〜18万円の手数料を取ることができます。回収サイトは大抵1ヶ月〜2ヶ月です。2ヶ月だったとしてもファクタリング会社としては6万円〜9万円の手数料を得ることになります。
そのためもし本当に、真っ当なファクタリング会社を経営するということであれば、毎月3万円のバックはありえない話ではないと思います。
不安要素が複数ある
しかし気になるのは、ファクタリング会社をまともに経営しようと考えれば数千万円から数億円の原資が必要となることでしょう。
さらに金融の知識と交渉力が必要となります。なぜならファクタリングの利用者は一定の割合でいなくなってしまうためです。つまり連絡が取れなくなってしまい、お金を持っていかれてしまうのです。そのため誰でもファクタリング業を円滑に行えるかというと難しいかと思います。
そしてさらにですが、多くの人からお金を集めなければファクタリング会社は難しいと思います。なのでもしかしたら複数の人に声をかけているのかもしれません。
なので、複数の人に声をかけており、この声をかけている人が金融の知識や経験が豊富であった場合には、ない話ではないと思います。ない話ではないのですが、金融の知識や経験がある人は、すでにそれなりの資金力があるものです。
まとめますと、まずこのような誘いがあったとしても乗らない方が良いと思います。そしてファクタリング自体は投資ではありません。・・・ということです。
ファクタリングの利用を調べる方法は存在する
取引先が、ファクタリングの利用の有無や手形を割っているか?を調べる方法ってあるのですか?
この質問に対し、以下のような回答がされています。
ないですね。
自己申告に依存するしかないです
登記されていれば分かる
取引先がファクタリングを利用しているかどうかを調べる方法はあります。
あるのですが、売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、ファクタリング会社がその債権を登記した場合、そして取引先が調べない限りは分かりません。逆に言うと債権が登記されていて、取引先が調べればわかります。
ファクタリング会社は買い取った売掛債権を全て登記するわけではありません。
債権を登記するとは、債権の持ち主が誰であるのかを証明するものです。つまり債権とは「〇〇という会社から売掛金を〇〇円もらえる」というものですが、その持ち主が変わった場合には、その変更をすることができるのです。
そのためベストな回答としては「調べる方法はあるが、絶対に調べられるというわけでもない。」となるかと思います。
ファクタリングは長期債権の取り扱うことはあまりない
ファクタリングのメリットを教えてください。
銀行で受取手形の割引をするのと同じだと思うのですが、あえて銀行ではなくファクタリングをするメリットを教えて欲しいです。
この質問に対して以下のような回答となっています。
そこで、現れたのがファクタリングサービスです。長期債権に対し、お金を融資したり、債権を割り引いて買い取ったりするサービスです。
手形文化の変化に伴い、手形割引にかわって出てきた、サービスと考えて下さい。
融資することはない
一部誤って解釈していると思いました。長期債権に対しお金を融資することはありません。そもそもですが、あらゆる債権に対して融資をすること自体しません。
手形に変わるサービスであると言及しているのは正しいかと思います。
長期債権はリスクと手数料が見合わない
一般的なファクタリング会社の話ではあるのですが、長期債権の取扱いは敬遠する傾向があると考えます。事業者から買い取った債権が1ヶ月~2ヶ月程度で現金化することができるということであれば良いのですが、半年後~1年後に売掛金が入ってくるという場合には、その間、ファクタリング会社の資金が減った状態となってしまうわけです。債権の金額、そして大きな資本があるファクタリング会社、そして債権の内容、たとえば公共工事などで発生する債権であれば取り扱う可能性があります。
ただし、そもそもファクタリング会社としては1ヵ月~2ヶ月で利益を確定します。つまり手数料は1ヵ月~2ヶ月の手数料のことを指します。つまり1000万円の債権をファクタリング会社が買い取った場合、そして手数料が20%である場合、さらにその売掛金が1ヶ月後に入ってくる場合には、ファクタリング会社としては1ヶ月で200万円の手数料を得ることができます。
ところが、これを1年後に売掛金が入ってくるとします。すると12ヶ月で200万円の手数料を得るということになります。つまり1ヶ月当たりで換算すると200万円÷12ヵ月で約15万円程度となってしまうのです。さらに売掛金が入ってくる時期が長くなればなるほど、入金されるかどうか怪しくなります。取引先が倒産してしまう可能性もあるためです。
このようなこともあり、長期債権を扱うことはあまりないと考えてよいかと思います。
ファクタリングは危険な金融商品なのか?
ファクタリングとはヤバい金融商品でしょうか?
この質問に対し以下の回答がベストアンサーに選ばれています。
ファクタリングは二種類あります。まず、大手の企業が自社(又は関連会社)で行っているもの。こちらは金利手数料も安いので何ら問題はありません。もう一つ、その他の一般の会社が行っているのは問題です。規制する法律がないので、金利手数料も30%超えるのもザラにあります。利息制限法や出資法の改正で、貸金業者の金利を下げた所で、現象無法状態のファクタリングが横行していれば、何の意味もありませんね。
回答者の言っていることがすべて間違っているわけではないと思います。しかし資金繰りに困ったことのある事業者ではないという想像がつきます。
確かにファクタリングには手数料が低い場合と高い場合があります。ファクタリングを利用しようとしている事業者は、当然手数料が低い方を選びたいと考えています。しかし事情があり選べない場合があるのです。その事情とは、資金調達までの時間が長かったり、そもそも審査に通らなかったりです。
とくに銀行系のファクタリングは審査時間は長いですし、審査も厳しいです。すぐに資金調達をしたいと考える事業者の需要は満たせないということです。
世の中には「1週間後の何時までにお金を用意できなければ倒産してしまう」という会社があるのです。そういった会社の経営者は、会社を倒産させないために、そして従業員を守るために必死で資金調達方法を模索するのです。
しかし現実として銀行系のファクタリングで断られてしまった場合、残される資金調達方法は民間のファクタリング、もしくは完全に違法の貸金くらいしかないのです。ここで資金調達できなければ、会社は倒産してしまいます。
「民間のファクタリング」「違法性のある貸金」「倒産」
この3択の中で選ばれるのが民間のファクタリングというわけです。
もちろん何を選ぶのかは事業者の自由ですので、手数料が高いと考えるのであれば民間のファクタリングを選ばなくてもよいだけです。ただ売却できる売掛債権があるというだけで、売掛債権がない事業者からしてみるとかなり恵まれているといえます。売掛債権を持っていない事業者で資金調達をしたいとなると、ファクタリングは選択肢にも入らないためです。
また金利手数料という表現をしていますが、金利は存在しません。貸金業ではないためです。
似た質問として以下のようなものがありました。
ファクタリングを利用して高い手数料を取られてしまい、さらに資金繰りが悪化してしまったという話でしょう。
まずそもそもですが、契約の段階で説明を受けているはずです。この段階で問題と思ったら契約しなければよいと思います。そして他の資金調達方法を探せばよいのではないでしょうか?
2000万申し込んで1か月の利用で手数料300万とられました。私たちの手取りは1700万。一か月後にはファクタリング会社に直接2000万返済しないといけません…。無理です。
2000万円の売掛債権があるから契約できたと思います。つまりしばらくしたら2000万円の売掛金が入ってくるということです。売掛先から入ってきた2000万円をそのままファクタリング会社に送金すればよいだけです。そもそも売掛債権をファクタリング会社に売却して時点で、1700万円を得ているわけですし、売掛金を受け取る権利はファクタリング会社にあるため、ファクタリング会社に2000万円を送金しないという行為自体が大きな問題となると思います。ファクタリング会社から単純にお金をもらったという形になってしまうためです。
また「300万円をとられました」とありますが、契約の段階で手数料の金額の説明を受けているはずです。もし受けておらずそれだけの手数料を取られたということであれば、違法の可能性があります。
Yahoo!知恵袋を見ていて危険だと思った
冒頭でもお話ししましたが、Yahoo!知恵袋の回答は誰でもすることができます。そしてベストアンサーは質問者が選ぶことができます。
自分のした質問に対して確かな回答でなかったとしてもベストアンサーとしてしまうわけです。そしてそのベストアンサーを見て、「ファクタリングってこういったものなんだ」と誤った解釈をしてしまう人も出てきてしまうことでしょう。
そのため、Yahoo!知恵袋でも質問や回答はあくまでも参考程度に、そして鵜呑みにしない方が良いかと思います。
お断り
当サイトの意見はあくまでも当サイトのファクタリングの考えに基づいたものです。もしかすると誤っている可能性もあります。そのため、当サイトに掲載されている情報についても参考程度にしてください。
もしファクタリングを利用するということであれば、そもそも事業者専用のサービスであるため、顧問税理士や中小企業診断士といった資金調達の正しい知識を持っている業種の人たちに相談し検討してみると良いでしょう。