
以下のようなコメントを目にしました。
ファクタリングは違法な金融機関なのか?給与を担保にして金貸しをしているのは違法だと思うのだが。
たったこれだけのコメントなのですが、誤っている箇所が複数あります。世の中のファクタリングのイメージは間違った広まり方をしているようですので、ここで私の知る範囲でいくつか訂正していきたいと思います。
債権譲渡は違法ではない
まずファクタリング自体は違法でも何でもありません。
第466条
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
これは民法第466条に書かれている内容です。ここで言えることは債権自体は譲り渡すことができるということです。つまりファクタリングの仕組み自体は問題はないというように解釈することができます。
そもそもなのですが、もし問題だとしたら関係機関は黙ってはいません。日本には約100社以上のファクタリング会社が存在しています。私の知る限り、詐欺行為を働いた、もしくは貸金業に該当する行為を働いたファクタリング会社の事件は数件知っていますが、そうではない限りで逮捕されたファクタリング会社は知りません。
参照 ファクタリングの仕組み
ファクタリング会社はお金を貸しているわけではない
ファクタリング会社はお金を貸しているわけではありません。
事業者の持っている売掛債権を買い取っているだけです。つまりこれは、事業者の持つ「持ち物」を買い取っているだけなのです。イメージとしては「質屋」に似た感じでしょうか。
たとえば事業者が現金が必要だったとします。もし会社内に社用車があったとします。それを売って現金調達をしたとしましょう。
ファクタリングはこの行為と全く同じなのです。事業者の持っている売掛債権というモノを、ファクタリング会社が買い取っているだけです。買い取っているわけですから、ファクタリング会社は事業者に対してお金を支払います。事業者からしてみると資金調達できたわけです。
売るものがなかったとしたら利用することはできません。一般的に借金であれば、何か売るものが無くてもお金を借りることができます。
このように、ファクタリングは貸金業ではありません。売掛債権が無ければ利用することはできません。
給与を担保にして金貸しをしている 給与ファクタリングのことかも
「給与を担保にして金貸しをしている」
といった表現がありましたが、恐らくこれは「給与ファクタリング」のことを指しているかと思います。
「給与ファクタリング」に関しては、実は怪しく、極めてグレーゾーンになります。
そもそもファクタリングはBtoBなのです。事業者と売掛先、そしてファクタリング会社の3社が関わって行われます。
しかしこの給与ファクタリングはBtoBではありません。BtoCとなってしまいます。
理由はさまざまですが、数多くあるファクタリング会社のほとんどが、給与ファクタリングに参入していません。
非常に需要は高いというのはわかっているのにです。
理由は、「貸金業法に接触する可能性があるから」とのことです。実際のところは判例自体はないそうなので、違反ということではないようですが、ファクタリングのプロたちが敬遠しているのです。
ということで、まず給与ファクタリングのサービスを行っているファクタリング会社は、ごく一部ということを認識してください。
ファクタリング業は誰でも出来てしまう
サイト内でも紹介していますが、ファクタリング業はとくに資格を取らなくても始めることができます。つまり誰でも始められるのです。
通常のファクタリング会社を経営する際には、ある程度の資本力が必要です。しかし給与ファクタリングの会社を始めるということであれば、そこまでの資本力は必要ありません。
ただでさえ資格がなくても参入できる業界、そして大きな資本力が無くても参入できる業界。
そう考えると、給与ファクタリングの利用を怖いと思ってしまいます。現に、給与ファクタリングの利用者が、闇金まがいの取り立てをされたというテレビ番組もあったほどです。
ファクタリングで金貸し?普通はない あるとするとルール違反
あと「給与を担保に金貸しを・・・」とありますが、説明してきた通り金貸しをしているファクタリング会社は存在しません。もし存在しているとすれば、それは貸金業法違反であり、それ自体が問題です。違反している業者を利用すること自体、それは別の話としての問題となってきます。
給与ファクタリングの業務を行っているファクタリング会社の表現の仕方としては、「給与債権を売買している」といった感じになることでしょう。しかしこの表現自体も極めて危険であるという認識をするファクタリング関係者が多く、結果として給与ファクタリングに参入する会社は極めて少なく、さらには当サイトとしても利用はおススメできないという見解となっています。