「請求書を売却できるって本当?」
このように思う事業者もいるかと思いますが、本当です。ただし結果的にという意味です。
まずですが、売掛債権(売掛金)を売却することが可能です。売掛金の買取サービスを行っている会社に売却することになります。売掛債権(売掛金)があるということは取引に対して請求書を発行しているかと思います。逆に考えると、請求書を出しているということは売掛金があるということです。
そのため、「売掛債権を売却できるのであれば請求書も売却できる」という意味となるのです。
参照 売掛金(売掛債権)は売却することができる!知らないと損する資金調達方法
売掛債権が売却できるから請求書が売却できるという意味
冒頭でもお話しした通り、請求書を売却することはできます。しかし請求書そのものを売却することができるという意味ではありません。「請求書の持つ権利」を売却することができるということです。
この辺りが上手く理解しきれない事業者がいるようです。
請求書を取引先に出しているということは、請求書に書かれた金額分の仕事をしたということです。そしてそれをもらう権利を持っているということとなります。つまり請求書の持つ権利とは、請求した金額を相手から受け取ることができるということです。
「A=B=C」の理論と一緒
たとえば100万円分の請求書を取引先に渡したとします。請求書を渡したということは、請求書に書かれている金額分の仕事をしたということになります。そのため取引先から100万円をもらう権利があるということとなります。
これはつまり100万円分の売掛債権があるということです。この売掛債権こそが「権利」なのです。売り上げをもらう権利ということです。
事業者
つまりしばらくしたら取引先から100万円が振り込まれる。つまり取引先から100万円を受け取る権利を持っているということだ。
このような状態ということです。
この「売り上げをもらう権利」は売却することができます。それがファクタリングです。
少し表現の仕方を変えてみますと、「A=B=C」。だから「A=C」といった理論となります。
売掛債権を売ることができる。
つまり
売掛債権があるということは請求書を出した。
だから
請求書を出したということは納品書を出した。
よって
納品書を出したということは見積書を出した。
無理やりかもしれませんが、繋げていこうと思えばこのくらいまで繋がってしまいます。
売掛債権に価値がある。
なので
請求書にも価値がある。
だから
納品書にも価値がある。
よって
見積書にも価値がある。
というような見方もしようと思えばできるということなのです。
見積書の段階では不確定のため買取は厳しい
そのため、売掛債権を売却することができるということは、請求書を売却することができます。そして請求書を売却することができれば納品書も売却することができ、さらには見積書も売却することができる・・・と繋がってくるのです。
「じゃぁ見積書ができるということ?」
といった話になりそうですが、ある意味では「YES」であり「NO」でもあります。一般的には見積書だけでは売却することができません。ただしきちんと取引先に売掛債権があるということを証明することができればその限りではないかもしれません。
ただしなのですが、見積書は簡単に作成することができます。さらに見積書を取引先に提出しても、実際に契約が取れるとは限りません。契約が取れていなければ売掛債権も発生しません。
そのため、「売掛債権がある」ということが証明することができれば、見積書であろうと納品書であろうと売却できる可能性があるのです。
ただし屁理屈を言うわけではありませんが、見積書や納品書を売却するというのであれば、売掛債権が取引先に対してあるということを証明したほうが手っ取り早いです。
売掛債権の存在の証明するための3つの方法
ファクタリングを利用するためには、売掛債権が存在するかしないかを証明しなければなりません。
売掛債権の有無を証明する方法はいくつかあります。
契約書で証明をする
まず取引先と交わした債権に該当する契約書です。その契約書を見ることにより、誰が誰からどのくらいの金額で仕事を引き受けたのかを把握することができます。
受注書・発注書・納品書で証明をする
さらに該当する仕事を行う上でかわした書類、たとえば受注書や発注書、そして納品書などでも把握することができます。
通帳で証明をする
そして何度か取引をしている取引先ということであれば、通帳履歴を見ることで今までのやり取りを把握することができます。
これらのことを証明することができれば、売掛債権を売却することができるようになるのです。
ファクタリング会社
「取引先からお金をもらえる状態だね」という証拠になる資料として、請求書であったり発注書であったりするわけであり、証明さえできれば売却することができるのです。
ただし、債権を買い取るかどうかは、買い取り側であるファクタリング会社が決めることです。Aというファクタリング会社は請求書を買い取ってくれるという話だけど、Bというファクタリング会社は買い取ってくれない・・・ということは普通にある話です。
請求書を売却した後にすること
請求書を売却すると、請求書の金額から手数料を引かれた金額をファクタリング会社から受け取ることができます。
たとえば100万円分の請求書を売却したのであれば、手数料として10万円~20万を引いた80万円~90万円を受け取ることができます。
請求を忘れていても売却は可能
取引先に請求書を送り忘れていた場合でも、売掛金は発生している状態となります。
つまり売掛金をもらえる権利である売掛債権を持っている状態となります。よってその売掛債権は売却することが可能です。
下請法により守られている
取引先からの仕事を完了した後には、取引先に対して請求書を送るのが一般的です。
そして請求書を受け取った取引先は、入金予定日までに売掛金を入金してくることでしょう。
しかし事業者の中には、「請求書が送られてこないのだから、代金は支払わなくても良い。」と考えている人も少なからずいます。そして同じように「請求書を送り忘れてかなり時間が経ってしまったから、売掛金をもらうことはできない。」と思っている人もいるかもしれません。
結論を言いますと、請求書を取引先に送らなかったとしても、完了した仕事に対して代金を支払わなければなりません。これは下請法という法律の基に定められています。