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「ツケ払いサービス」というものを知っているでしょうか?

一時、一般的な個人の人がお金を調達する方法として給料ファクタリングが流行りました。今でもいくつかの業者において給料ファクタリングを取り扱っているようですが、かなり数を減らしていると思います。

インターネットで調べてみても、以前は給料ファクタリングに関する多くの広告を目にすることがありました。つまり給料ファクタリングを取り扱っている会社が結構あったということです。

金融庁の注意喚起や、複数の給料ファクタリング会社関連のニュースなどの影響からか、最近では関連の広告を目にすることはほとんどなくなりました。

一応お断りとしてですが、当サイトは立ち上げ当初より、給料ファクタリングの利用はおススメしないという立場です。

給料ファクタリングに代わり、最近よく目にするようになったのは「ツケ払い」といったものです。

この仕組みを見て「怪しい」と思うと共に「よく思いつくものだ」と思いました。ちなみに一般的なファクタリングとは全く異なった仕組みとなっています。

まずはこの仕組みについて紹介したいと思います。そして当サイトの結論からすると、「利用は避けた方が良い」と考えます。

ツケ払いの仕組み 購入したものを売却し資金調達

ツケ払いの仕組みはシンプルです。「ツケで購入したものを売却し、その売却益を得ることでお金を得る(資金調達する)」というものです。

まず業者から商品を購入します。この商品にはいろいろあるようで、書籍であったり、電化製品であったりします。おそらく何でも良いと思います。そもそも商品自体が存在しなくても、この仕組みは成り立ってしまうためです。

後払いで商品を購入 購入した商品を売却する仕組み

たとえば今回はわかりやすく10万円の商品を購入したとします。

本来であれば商品を購入した段階で支払いをするのですが、この段階では支払いをしません。つまり「ツケ」の状態で商品を手にするのです。ツケなのでお金が全くない状態でも購入することができるわけです。

次に手にした商品をすぐに商品を購入した業者、もしくは系列の業者に売却します。もともと10万円で購入したものですので、8万円で売却したとします。

ここで業者からは8万円が振り込まれます。この段階で8万円の資金調達ができたということになるのです。

もちろん初めに商品を購入した代金の10万円は業者に支払う必要があります。ただし事実として手元0円の状態から8万円の状態になったわけです。

それもこの8万円は、借りたわけではありません。自分が購入した商品を売却して得た「売却益」ということになります。

これが基本的なツケ払いの仕組みであろうと当サイトでは判断しました。少し違って解釈している点もあるかとは思いますが、大筋は合っているかと思います。

何も問題なさそう・・・と思う人もいるかもしれませんがどうでしょう。私は怪しいとしか思えません。

実際の商品がなくても成り立ってしまう

このツケ払いですが、見方を変えると貸金と変わらないと思うのです。

まず業者から購入した商品ですが、別に商品が存在している必要はありません。

それに商品を業者から購入し、同じ業者に売却することも可能なのです。

つまり「商品というのはあくまでもオマケ、言い訳作り」なのです。もし誰かに「貸金業でもないのにお金を貸しているではないか」と言われたとしても、「商品の売買をしている」という言い訳ができるということなのかもしれません。

 

ツケ払いで資金調達ユーザー

お金がないなぁ。ツケ払いを利用してお金を調達しよう。

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

いらっしゃい。お金が必要なのですか?
ではまず弊社の商品である商品Aを購入してください。金額は10万円となります。
商品代金の支払いは60日後で結構です。。

 

—– 翌日 —–

 

ツケ払いで資金調達ユーザー

昨日、そちらから購入した商品Aですが、売却したいと思っています。

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

わかりました。買い取りましょう。8万円でいかがですか?

ツケ払いで資金調達ユーザー

それで結構です。

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

わかりました。では8万円をお支払いします。口座に入金しておきます。

 

この段階で「ユーザー」は8万円を手にすることができたわけです。つまり元々手持ちが0円だったのに8万円になったのです。そして60日後までに初めの商品購入代金である10万円を用意し業者に支払えば問題はなくなる・・・といったものです。

実際に商品があるのかどうかはわかりません。あってもなくてもこの構図は成り立ってしまうのです。

しかしこれは「8万円を業者が貸して、10万円にして業者に返す」という「貸金」と何ら構図は変わらないと思うのです。私の印象では給料ファクタリングよりもさらに抵抗のあるサービスであると思います。

疑似売買

ツケ払いサービスは売買を疑似的に行っているサービスであると考えます。

実際に商品があるかどうかは関係なく、「買った、それを売った」という形に当てはめているのではないでしょうか。

 

ツケ払いで資金調達ユーザー

お金がないなぁ。でも借りたくないしなぁ。何か良い資金調達方法はないかなぁ。

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

弊社のサービスを利用すれば、借りない資金調達ができますよ。
弊社に商品Aというものがあります。というか、「あると仮定」します。本当はないです。別にあってもなくてもどちらでもよいのですが、あると仮定してください。
その、あると仮定している商品を10万円で購入してください。というより購入したことにしてください。

ツケ払いで資金調達ユーザー

購入したことにする?

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

はい、お支払いは後払いで結構です。そのため60日後に支払ってくればよいです。
そして購入したことになった実在しない商品Aを、今度は弊社に売却してください。というか、売却したということにしてください。

ツケ払いで資金調達ユーザー

つまり持っていない商品Aをあなたに売却すればよいのですね?というか、売却したということにすればよいのですね・

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

はい、そこで弊社側で8万円で買い取らせていただきますので、そのとき、8万円を現金でお渡しします。

ツケ払いで資金調達ユーザー

存在しない商品Aを購入し、存在しない商品Aを売却したことにするだけで8万円を手にすることができるわけだ。

10万円で商品を売ったことにするツケ払い業者

はい、ただしはじめに後払いとなっているため、60日後には10万円を弊社にお支払いしてください。
それにより、あなたに渡した8万円とあなたからもらった10万円を差し引いて、手数料2万円が弊社の利益となるのです。

 

一見面倒に見えますよね。早い話、8万円を貸してしまえばよいのでは?と思う人もいることでしょう。

しかしお金を貸してしまったら、それは貸金業者になってしまいます。つまり貸金業の資格である「貸金業務取扱主任者」が必要なります。

しかし商品を売買することによって資金を得たということであれば、単純にお金を貸した形とは異なるものとなります。結果は同じなのですが、家庭の部分が異なることにより、貸金業という扱いから離れた存在としているのでは?と思うのです。

ツケ払いの資金調達はそのうちなくなると思う

このようにツケ払いの仕組みを使って資金調達する方法は、捉え方によって貸金にも取れるサービスであると思います。

給料ファクタリングが衰退した中で、どこからもお金を調達できない人にとっては便利なサービスなのかもしれません。しかし仕組みを見てもらって分かる通り、業者側としては手数料で成り立っています。このような仕組みを使わずとも、お金を貸せばよりシンプルに商売が成り立つはずです。

それでもお金を貸すのではなく、このような仕組みを採用しているのは「貸金業の資格を持っていないから」、そして「大きな手数料を得たいから」という推測が成り立ちます。

今回の例で言うと、60日後にユーザーは10万円を支払います。しかし調達できた金額は8万円です。つまり業者としては2万円の利益を得ています。60日で2万円と言うことは、単純計算で年利にすると150%ほどとなるかと思います。これは法定金利の上限をゆうに超えてしまいます。

見方の問題なのかもしれませんが、このように考えると利用は避けた方が良いかと思います。それであれば他の資金調達を考えてみても良いかと思うのです。