ファクタリングのことをあまりよく知らずに、もしくは勘違いをして問い合わせをしている事業者が多いという話を聞きました。
ファクタリングを勘違いしている人の特徴は以下の通りです。
3つの勘違い
- ファクタリングを単純にお金を貸してくれるものだと思っている。
- 事業をしていればお金を貸してくれると思っている。
- 売掛債権を持っていればお金を貸してくれると思っている。
このすべてが不正解です。
ファクタリング会社でお金を貸すところは普通はありません。
もしお金を貸してくれるファクタリング会社があったとしてら、それは貸金業法違反となるはずです。
そのため、お金を借りる目的でファクタリング会社に問い合わせをしても、まったく意味がありません。
誤った情報を信じている可能性がある
ファクタリングでお金を借りようと考える人は少なくありません。
結論からすると、どのファクタリング会社でもお金を貸すことはしていません。
資金調達できるというのは貸してくれるという意味ではない
ファクタリングを利用すれば資金調達をすることはできます。
資金調達をすることはできますが、お金を借りられるわけではありません。事業者の持つ、売掛債権を売却して、資金調達をするということです。
どうしてもお金が必要な事業者の行動
どうしてもお金が必要と考える事業者は、何とかして資金調達したいと考えています。
しかし借りたくても借りられない状況にいる人も少なくありません。いわゆる「ブラック」です。ブラックリストに載っていると、かなりの確率でお金を借りることができません。
そんな中、ファクタリングを知り、「どうやらファクタリングは資金調達することができるらしい。つまりお金を借りられる」と思ってしまうようなのです。
また「売掛債権を担保にすることでお金を貸してくれるらしい」とか「商売をしていればお金を貸してくれるらしい」など、判断してしまうようなのです。
このような勘違いをしてしまう人が多いのも、まだまだファクタリングのシステムが世に広まっていないことが原因でしょう。
何度も繰り返しますが、ファクタリングでお金を借りることはできません。事業者の持っている売掛債権を買うのがファクタリング会社のサービスです。
そして売掛債権の範囲内でしか、資金調達をすることができません。
参照 ファクタリングの仕組み
売掛金を担保に融資を受けられる売掛金担保融資
ファクタリングは売掛債権を譲渡して資金調達する方法です。一方で、多くの銀行では売掛債権を担保として融資を受けることのできる「売掛債権担保融資」という金融商品があります。
この2つは全くの別物であるため、混同しないようにしましょう。
参照 売掛債権担保融資とは売掛金を担保にして融資を受けること
そのほかに銀行では債権流動化やABLといった債権を利用して資金調達できる商品があります。しかしこれらもファクタリングと似たシステムではあるのですが異なるものです。
過去の事件の情報が独り歩きしている可能性がある
ファクタリング会社には、ファクタリングでお金を借りられると思っている事業者から、日々多くの連絡が来るそうです。
もちろんそういった人にはお断りをしているそうなのですが、話を聞いていると誤った情報を掴んでしまっているようなのです。
お金を貸して逮捕されたファクタリング会社も
たとえば過去の話ですが、過去にファクタリング業者が逮捕されたことがあります。
この業者はファクタリング会社を装い、ファクタリングの申し込みをしてきた事業者に現金を貸し付けたそうなのです。つまりお金を貸していたということです。
その際、事業者の持ち込んだ売掛債権を担保にしたということなのです。ちなみにファクタリングを利用する際に売掛債権を担保にすることはありません。
このような事件が実際に過去にあったのですが、もしかしたら表沙汰になっていないだけで、現在でもこのような行為が行われている可能性があるのかもしれません。
ファクタリング会社を装った、貸金行為を行っている会社を過去に利用していた、もしくは、利用していた人の知り合いであれば、本来のファクタリングを勘違いしてしまうかもしれません。
その他、この事件の情報が独り歩きし、ファクタリングサービスの意味が間違って世間に広まっているのかもしれません。
ブラックや赤字決済でも利用可能
ファクタリングはブラックや赤字決済の状態でも利用することは可能です。
先ほど「ブラックはお金を借りることは高確率で難しい」という話をしましたが、ファクタリング自体はお金を借りることではないため、利用することが可能なのです。
そのため、ブラックの状態でどこからも融資を受けられない・・・ということであれば、ファクタリングを利用した資金調達はとても便利なものとなるのです。
ファクタリングをもう一度整理
ファクタリングをもう一度整理します。以下の条件に当てはまれば利用できる可能性があります。
「事業者であり、取引先に対しての売掛債権がある」
これが最低条件です。ただし利用できる可能性があるというだけであり、必ず利用できるわけではありません。あくまでも最低条件です。
この最低条件を1つでも満たしていなければ、スタートラインにも立てません。